知恵の和ノート
そろばん教室の戦略から学ぶ会社を継続的に改革するコツ(第341話)
評価基準を明確にして、目標を細かく段階的に設定する
「読み、書き、そろばん」と言われたように私が子供の頃何か習い事をしているという場合、「そろばん教室」の名前が必ず上がっていました。
さすがに最近はそろばん教室に通う子供は減っていますが、そろばん教室はなぜあれほど普及したのでしょうか?
ある教育関連会社の経営者のお考えは
「評価基準を明確にして、各級を細かく段階的に設定したから」
例えば、珠算1級の場合。
みとり算(10題)、かけ算(20題)、わり算(20題)を30分で解いて、300点満点で240点以上で合格
となります。
そして、1~3級では問題の数、試験時間や合格の基準は同じですが、その各内容が、
1級のみとり算:10口 100字
2級のみとり算:10口 80字
3級のみとり算:10口 60字
というように、かなり細かく分かれています。
つまり、より上位の級数を取得するためには、より速く、より正確にそろばんをはじく必要があります。
そして、少しずつハードルを上げることで、6級を取った子供はまず5級を目指し、2級を取った人は「次はいよいよ1級だ」というように自然と頑張る仕組みができているという訳です。
会社経営の場合、そろばんの級と違って、一つの問題に対しては必ず一つの正解がある訳ではありません。
また、1億円の売上高を達成したらOKで、9,000万円だったらNGというように単純に数字で割り切れるものでもありません。
しかしながら、
- 評価の基準をあいまいにする
- 高い目標を短期間で達成しなければ×の評価を下す
では、一歩ずつ前へ進もうとする雰囲気がなかなか生まれてきません。
そして、いろいろな方のプロファイリングを通して最近分かってきたのが、子供の頃から「自分は(人から)認められていない」と思っている人がかなり多いということです。
テストで80点の場合(前述の珠算1級では見事合格ですが)、
- 8割は正解した
- 2割は不正解だった
のいずれかに焦点をあてることで、受け取る側の印象は大きく異なります。
8割正解した事実にフォーカスすることなく、「なぜ2割間違えたのか?」ばかり責め立てていると、だんだん「やはり100点じゃないとダメなんだ」という気持ちが芽生えてきます。
すると、「どうせ完璧じゃないと意味がない」という意識が生まれて、やがて行動する際に躊躇するようになってきます。
この場合、「8割はできたよね」と、事実をまずは承認することがポイント。
その上で、「残り2割を正解にするにはどうすればできるのだろう?」という問いかけをしたり、「次はもう少し頑張って10割を目指そう!」という励ましの言葉をかけたりすることが必要です。
高い目標を掲げること自体は素晴らしいことです。
しかしながら、誰もがその高い目標をすぐに達成できるとは限りません。そして、その目標があまりにも現実と乖離していると、やがてやる気がなくなってきます。
この点、そろばん教室の「評価基準を明確にして、各級を細かく段階的に設定する」という戦略は参考になるのではないでしょうか。
ところで、家のリノベーションのように、会社を大きく変えて新しい価値を生み出す際にも
達成基準を細かく段階を設定する
↓
少しずつ各基準をクリアする
↓
気がつけば、大きく変革している
という流れにした方が結果的にスムーズに改革が進みます。
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