知恵の和ノート
業務改善に立ちはだかる3つの壁と5つの対応策(第340話)
やる気やレベルの問題は仕組み化して淡々と対処する
「ウチは何かをやり始めてもなかなか続かない」
よくあるご相談の一つです。
会社をより良くするために、マニュアル作りなど何か新しいことに取り組んでも、途中で終わってしまうことは少なくありません。
「日常業務が忙しい」
「目の前の仕事と比べて優先順位が低い」
「やり方がよく分からない」
といったように、社員に
「なぜ、やっていないの?」
と質問すると、いろいろな「言い訳」が出てきます。
社長が社員の言い訳を論破するのは簡単です。けれども、それでは解決になりません。
そこで、社員さんの立場に立って、ちょっと構造的に考えてみると、「何かをやり始めてもなかなか続かない」時には、次の3つ壁があります。
- 完璧主義
- アメとムチ
- 不要不急
完璧主義とは社長の要求水準が高すぎるので進めている途中で「そこまではやはり無理かも」と感じてしまうこと。
全体像が見えていない社員の場合、
「社長の言っていることは正論で頭では分かるけれど、具体的にどう進めて良いか分からない」
ということが少なくありません。
アメとムチで言えば
- アメ:改善が進めば、今よりも楽になる
- ムチ:改善を進めるために、一時的に負担が増える
であり、通常アメよりも先にムチがあるので、途中で嫌になるパターンです。
例えば、合理化のため新しいシステムを導入する場合。
システムが稼動すれば仕事は効率化されるのですが、その前段階のデータの整備や初期設定で挫折することがよくあります。
そして、不要不急。
会社の改革となれば、すぐに効果がは出ません。また仕組み自体や仕事のやり方を大きく変えると、最初は多少の混乱が生じます。
すると、急ぎの仕事が溜まってくると、どうしても「それが終わってから」という形で長期的な改革は後回しにされがちです。
これらの要素は大抵重なり合っているので、「何かをやり始めてもなかなか続かない」のは、社員の資質ややる気とは関係なく、ある意味当たり前なのかもしれません。このため、大きな改革をやる時は、社長がリーダーシップを取ることが求められます。
その際、我々がお手伝いさせていただくことが多いのですが、社内に常駐せずに改革を進めるには「仕組みとして取り組む」ことがベースになってきます。
そして、先のような3つの壁がある場合、我々がアドバイスさせていただく際に意識しているのは次の5つです。
- 8割主義~80%で良しとする
- そろばん塾~小さな目標達成を繰り返す
- 言い訳廃止~WhyでなくHowを問う
- 定量制度~増やした分は必ず減らす
- 時間厳守~やる時間とやめる時間を決める
細かい解説はここでは省略しますが、ちょっとした工夫を重ねることで、壁も少しずつ壊すことができます。
「何かをやり始めてもなかなか続かない」のは何よりも会社の中に「仕組み」がない証拠です。しかしながら、既に一定の売上を上げている会社なら、日常の仕事に関しては何からの仕組みがあるはずです。
一方で、人の本能は変化を嫌うので、「社員のやる気やレベルに期待しても、新しい仕組みを作ることは難しい」ということを前提に、大きな改革を継続するために小さな工夫を積み重ねましょう。
ところで、家のリノベーションのように、会社を大きく変えて新しい価値を生み出す際、弊社では「社長専任の社外チーム」として、ものづくり企業からサービス業に至るまで、様々な業種・業態の変革を社員の方と一緒に取り組んでいます。
自分たちだけではなかなか思うように進まない場合、ちょっとした工夫で物事はスムーズに進みます。
「大きな改革を自力で進めたいけれど、ちょっと手助けが欲しい」
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