知恵の和ノート
大きく変動する需要は価格も柔軟に変動させて取り込む(第333話)
価格の設定を柔軟に変えることで、需要の変動に柔軟に対処する。
先日の記者会見でJR東日本が「利用状況に合わせた運賃体系の見直しも検討している」旨発表されていました。
鉄道に関しては、繁忙期と閑散期で特急料金に差がつくことはあっても運賃に関しては一律同じです。しかし、今ではスポーツの観客席などで価格が随時変化するダイナミックプライシングなどが一部導入されています。
需要と供給が一致するところで価格が決まるのは経済の原則です。
スーパーや百貨店などでも閉店時間が近づくと、食料品を中心にタイムセールが行われたりします。これは供給量が決まっているので、価格を下げて需要を喚起することで売れ残りをなくそうとする動きです。
JR東日本の狙いの一つは、ピークをずらして効率的な運行を可能にするです。
しかしながら、鉄道の場合、「運賃が高いからといって朝のピーク時を避けて昼間の時間に通勤する人がどのくらい増えるのか」という課題が残ります。このため、実現するにはまだ紆余曲折がありそうです。
さて、経済情勢の変化につれて今まで固定されていた鉄道の運賃体系も変動させることを検討している時代。
皆さんのビジネスでは、価格設定の見直しを何か検討されているでしょうか。
ダイナミックプライシングにせよ、食料品の閉店間際のタイムセールにせよ、従来と比べよりきめ細やかな価格設定が求められている表れです。
安易な値下げは利益の減少につながるので避けなければなりません。一方で、中長期的な利益確保を念頭において、よりきめ細やかな価格設定を導入することは検討する必要ありです。
先日はテレビでは、ある家事代行会社さんが、値段の後決めを導入されている事例を紹介していました。
家事代行を利用したいと思っている人は多い一方、「本当にちゃんとやってくれのか?」「払うお金に見合っているのか??」とやや不安に感じている人も少なくありません。
このため、そういう人を対象に1回限定で
従来よりも安い最低限の価格を設定
↓
家事代行の作業実施
↓
お客様自身が作業内容を評価
↓
最終的に支払う値段が決まる
という仕組みです。
もちろん、サービス内容に満足しなければ、最低評価にすることで上乗せ価格を0円にして最低限の価格で利用することも可能。しかしながら、実際にはほとんどの人はサービス内容をそれなりに評価してくれるので、値段の後決めも効果があるとのことです。
価格を変動させることで直近の売上や利益を正確に予想することは難しくなるかもしれません。
一方で、仮に価格は固定していても、需要が大きく変動する時代になったので、
価格を柔軟に変動させる
↓
需要をある程度固定的に確保する
という観点は欠かせません。
鉄道運賃も時間帯によっては変わりうる時代、価格に対する考え方もより柔軟に変えていきましょう。
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