知恵の和ノート
社内にかけている無駄なエネルギーを社外に向けて新たな価値を生み出す(第322話)
従来のやり方を踏襲して、環境の変化に無頓着なのは成長が止まる人
従来のやり方を見直して、変化に柔軟に対応するのが成長し続ける人
「今までのビジネス本は全部捨てました!」
あるZoom飲み会での話題。
参加メンバーが知っているコンサルタントの先生が今回の状況を受けて実践されたそうです。
理由は「これからは今までのノウハウが役立たないから」。
本好きの私にはとてもマネできない対応ですが、今までのノウハウが役立たないという視点には共感するものがあります。
リモートワークやテレワークが導入されて、単に情報を管理し、右から左へ流すだけの中間管理職的な仕事は自然と淘汰されていきます。
従来は「担当―課長―部長―役員―社長」というように、決裁権限が分かれ、担当者の上げた稟議書が順番に上に上がっていく中で意思決定がなされます。
もちろん、中には上がってきた稟議書の内容をきちんと精査して、疑問点を確認したり、追加の説明を求めたりする管理職の人もおられるかと思います。しかしながら、いざ社長の所に書類が回ってきた時、何か気になった点を質問しようとすると、きちんと答えられるのは起案した本人だけということが少なくありません。
現場でお客様と直接対峙しているのは担当者。課長や部長は部下からの報告や相談をベースにお客様と対峙しているケースがほとんどです。
このため、生の情報がそのまま社内で伝わるとは限りません。また、時には途中で事実の一部が捻じ曲げられたり、都合の悪い真実が隠されたりすることがあります。
今までは、担当者と社長との間に一定の距離がありました。
しかしながら、仕事のオンライン化が進むと、本気でやろうと思えば、一気にその距離を縮めることができます。すると、いわば「中間管理職の仕事の付加価値は何なのか」が益々問われるようになります。
部下の教育やマネジメントと言っても、直接会社や現場で指導する機会が減る中ではより難しくなります。対面で上手く社員を指導できない人が対面でない状況で社員のレベルアップを図るのは至難の業です。
このため、会社や職場、事務所といったリアルな場で皆が集うことが難しくなる状況においては、より深いレベルでの情報共有が求められます。
今までは、自分のノウハウや情報を囲い込むことで、売上や利益を上げることができました。
しかしながら、状況が一変した環境の下では
- 自分のノウハウだけでは通用しない
- 自分の持っている情報が陳腐化する
- 正確かつスピーディに情報が伝わらないと判断を確実に間違える
のを自覚する必要があります。
社内営業に長けて、上司の顔色を見ながら機敏に動き回ることが得意なだけでは生き残っていけない時代。
一人ひとりがどのような価値を生んでいくのか。また、それを実現するために会社としてどのように「共有→共感→共鳴」のプロセスを構築していくのか。
薄っぺらいノウハウは意味がなくなりました。そろそろ本物のノウハウを各人が身につける時が来たのを感じます。
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