知恵の和ノート
物理的な距離を逆転の発想で縮めて社内の風通しを良くする(第319話)
常識に囚われて社長と社員との距離が遠いままなのは成長が止まる会社
工夫を凝らして社長と社員との距離感を調整するのが成長し続ける会社
社長と社員との距離感はどのくらいが心地良いのでしょうか。
社長が心地よく感じる社員との距離感と社員が心地よく感じる社長との距離感はおそらく異なります。
社長の中にも、社員が忙しそうにバタバタと社内を動き回っていることで安心感を感じる人もいれば、社員に邪魔されずに、静かな個室で会社の戦略を練ることに、やすらぎを感じる人もおられます。
創業したばかりの会社であれば、社長も社員もお互いに顔を突き合わせて、という距離で仕事をしています。一方、会社が大きくなるにつれて、やがてその距離は少しずつ長くなっていきます。
部長や課長とは最低一日一回は何かしらの会話をすることがあっても、社長と社員が直接会話を交わすのは、多くて週1回、時には月に1回あるかないか、という会社も多いかもしれません。
緊急事態宣言の発言を受けて、政府は「オフィス出勤者の最低7割削減」を求めています。ただでさえ、距離感が広がっているのに、物理的な距離が益々広がっていきます。しかし、国際的コンサルタントのトム・ピーターズ氏が1997年に自著の中で、「距離は死んだ」と語っているように、物理的な距離は実は随分前からあまり意味がなくなっています。
居酒屋等での飲食が制限される中、巷ではオンライン飲み会やオンライン食事会も流行っているようですが、物理的な距離が長くなった今こそ、社長と社員との距離感を縮めるチャンスでもあります。
今は当面の資金繰りを乗り切るために、たいへんな状況かもしれません。また、業種によっては、社員の雇用をどうしていくのか、真剣に検討しなければならない会社もあるかと思います。
一方で、少なくとも半年程度は大丈夫という会社であれば、この時期、ぜひ取り組んでいただきたいのが、「社長と社員との距離感を縮めること」です。
口には出さなくても、漠然とした不安を抱えている社員はたくさんいます。また、社長からの指示の内容があまりよく分からなくても、「分かりません」とは言えずに、理解したような返事をしている社員もおられます。
1対1でも、1対複数でも良いのですが、1回あたり30分程度の「社長と社員とのオンライン会議室」を定期的に開催することで、社員の本音や理解度を把握することができます。
目の前の社長と直接話すのと違って、一定の距離感があるため、社員の方には少し安心感が生まれる可能性があります。社長としては、やはり直接会って話さないとなかなか伝わらないとお考えの方もおられるかと思います。一方で、一定の距離を置くことで、かえって伝わりやすくなることもあるのです。
状況的にリモートワークやテレワークを何らかの形で取り入れざるを得ないこの時期、オンラインを使って社長と社員との距離感を調整することは新たな取り組みとしてやってみる価値はあります。
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