知恵の和ノート
1on1をやって成長の芽を摘まないために気をつけたいこと(第533話)
社内で実施する1on1を有効活用するには、社内の常識や社員の日頃の言動はいったん脇に置いて無責任な発言も許容する。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
クライアント先の社員の方を対象に1on1をやらせていただくことがあります。
質問事項は予め経営者の方と擦り合わせしますが、必ず入れる問いかけは
「会社がもっと良くなるためにやった方が良いことを一つあげるとしたら?」
です。
もしかすると、社内で1on1をやっておられる会社でも、同じような問いかけをされているかもしれません。
その際、「こんなことをやった方が良い」という回答に対して、「そんなことは無理だ」と即座に提案内容を否定したり、「無責任なことを言うな」と相手を非難したりすることはないでしょうか。
社員同士だと社内の常識や日頃の相手の仕事振りがどうしても前提条件となります。
「ウチの規模ではそのような大きな投資は無理だ」と考えたり、「あなたのミスで先日トラブルになりかけたのに、よくそんなことが言えるなぁ」と思ったりする訳です。
この点、社外にいる私の場合は、そこまで社内の事情に精通している訳ではありません。それゆえ、社員の方が「〇〇した方が良いと思います」というご提案に対して、比較的フラットに受け止めることができます。
もちろん、1on1を実施する前に、対象となる社員の方に関する情報が耳に入ることがあります。
しかしながら、上司の評価はそれほど高くない社員さんが「へぇー、こんなことに気づいているんだ」と驚かされることもあれば、上司からの信頼の厚い社員さんが「なんだか、ちょっとピントがずれているかも」と感じることもあります。
つまり、
・社内における社員の評価
・社外から見た社員の評価
は必ずしも一致しないのです。
これはどちらが正しくて、どちらが間違っているということではありません。人は多面的な側面があり、同じ人でも評価する人が変われば、受ける印象も異なります。
経営者からすれば、「もっと会社のことを考えて仕事をしてほしい」と社員に満足していないことも多々あります。けれども、社員も本当にそこで働くのが嫌なら、既に退職している訳で、会社のことを考えていない訳ではありません。
それは、先の「会社がもっと良くなるためにやった方が良いことを一つあげるとしたら?」という問いかけに対して、まったく的外れな答えをする人はいないことからも分かります。
社内コミュニケーションで気をつけたいのは、前述のようにどうしても先入観が入ってしまうこと。これは同じ組織の中で働いている以上仕方ないことではあります。
けれども、せっかく貴重な時間を費やして社内で1on1を実施するのであれば
- 社内の常識はいったん忘れること
- 普段の仕事振りや言動はいったん脇に置くこと
- 無責任な発言もいったん許容すること
を常に意識しましょう。
会社がさらに良くなって、社員ももっと働きやすくなることは会社にとっても、社員にとっても悪いことは一つもありません。
弊社の仕事は「会社の強みを見つけてそれを伸ばす座組みをつくる」こと。
そして、その強みの芽は経営者が見逃していたり、社員がなんとなくは気づいていても、上手く伝えられていないために、芽が芽のままで留まっていたりするケースが多いです。
会社がさらに良くなるためのツボは必ずあります。
なお、「利益の見える化」「仕事の見える化」「人の見える化」に関する15個の「座組み度チェック」で、会社がさらに良くなるための優先事項を見つけていただければ嬉しく思います。
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