知恵の和ノート
会社の信頼の源泉は経営理念と仕事との一貫性にあり(第302話)
仕事と経営理念の間で大きなギャップを生むのは成長が止まる会社
仕事でお客様の期待を上回るギャップを生むのが成長し続ける会社
一貫性は信頼の源泉である。
最近よくお伝えしていることの一つです。
先日もあるお店に行ってがっかりしたことがありました。社長にもお会いしたことがあり、社長の書かれた本も読みました。また、最近ではテレビでもその会社が中小企業の成功事例として取り上げられています。
こちらもちょっと期待していたのですが、最初に商品を注文した時から少し違和感を感じました。そして、出来上がった商品を受取る際、前回とは別の店員さんが対応してくれたのですが、「えっ?」という言動が・・・。
おそらく、そのお店は二度と利用しないと思います。
せっかく、社長が良いことをやっていたとしても、その想いが全社員に伝わるとは限りません。また、マスコミが取り上げるのは、あくまでも会社の一面。すべてを包み隠さず、正確に伝えてくれる訳ではありません。
もちろん、お店の対応で私が気になったことを他の人はあまり気にしないかもしれません。また、私が社長の本を読んだり、会社を取り上げたテレビ番組を見たりしたことで、勝手に期待値が上がっていたゆえに、がっかり加減も大きかったこともあります。
しかしながら、会社が発信する情報によって、会社の意図とは関係なく見込み客は勝手に期待を膨らませたり、萎ませたりします。
事前に期待が萎んだ場合は、そもそも会社の商品を買おうとしないので、幸か不幸か信頼を裏切るということにはなりません。
問題は見込み客が期待を膨らませた時。
その期待値を上回る対応があれば、そこに感動が生まれ、リピート客になったり、口コミが発生したりします。けれども、期待にそぐわない対応が少しでもあると、「言っていることと、やっていることが違うじゃん!」「マスコミでは格好良いところばかり取り上げてもらって」となって、ファンになるどころか、時には悪評のネタになります。
ある人が「どうせ守れないなら、立派な経営理念などない方がいい」といった趣旨のことを書いていたのを読んだことがあります。たしかに、「お客様を喜ばす」という理念を掲げながら、「お客様を怒らせる」仕事をしていたら、一種の詐欺です。
我々も、社長のプロファイリングをした後、会社の経営理念を再定義しますが、そこまでは方法やかかる時間もある程度予測できています。けれども、再定義した新しい経営理念をベースに会社の仕事に一貫性を持たせるプロセスは、会社によってやり方が変わるし、理念が全社に浸透するまでにかかる時間もマチマチです。
そして、たとえ時間がかかったとしても、社長も腹落ちする経営理念を社員が理解し、それを日々の行動にまで落とし込むことがない限り、会社の信頼は築けません。
自社のやり方が気に入らなければ買わなくていいと考えるのも一つの解決策ではあります。
一方で、気に入らない要因が、自社の経営理念と実際の仕事振りとのギャップによって本当は気持ちよく買いたいと思っていた人の気分を損ねることにあったとすれば早急に改善すべきです。
あなたの会社では経営理念と日々の仕事との間で一本筋が通っているでしょうか?
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