知恵の和ノート

2019/10/29

会社経営のフレームワークを有効に活かして持続的な成長につなげる(第295話)

カテゴリー :経営理念

会社の存在意義を考えずに、単発的に課題に取り組むのは成長が止まる会社
会社の存在意義を踏まえて、長期的に課題解決を図るのが成長し続ける会社

会社経営のフレームワークを有効に活かして持続的な成長につなげる

日経新聞でも大きく取り上げられていた「経営デザインシート」

内閣府の資料によれば、経営デザインシートを一言で言うと、「将来を構想するための思考補助ツール(フレームワーク)」で、100文字で言うと、

環境変化に耐え抜き持続的成長をするために、自社や事業の
(A)存在意義を意識した上で、
(B)「これまで」を把握し、
(C)長期的な視点で「これから」の在りたい姿を構想する。
(D)それに向けて今から何をすべきか戦略を策定する。

となります。

つまり、最初に会社が取り組むことは、会社の存在意義を意識するということです。言い換えれば、会社の目的や経営理念を最初にハッキリさせるということを意味します。


上記(B)~(D)については、いわば、「現状把握→目標設定→戦略策定」にあたります。

弊社でも、従来からクライアントさんの業務改善に取り組んでいますが、「現状把握→目標設定→戦略策定」のステップでやるべきことが決まっても、現実問題として、上手くいくケースとなかなか上手くいかないケースがありました。

そして、上手くいかないケースに共通しているのは、作った目標や戦略と会社の経営理念との結びつきが弱いということでした。


現状把握で出てきた課題を解決する方法は、たいていの場合、一つではありません。このため、複数ある選択肢の中で、どの方法を選ぶかという際の判断基準がポイントになります。その判断基準が経営理念とつながっていないと、理念として掲げていることと、実際にやっていることがどうしてもチグハグになります。

また、目標を決めて戦略を立てたとしても、実際に社員がその通りに行動するとは限りません。頭では分かっていても、感情が動かなければ、せっかく立てた戦略も実行されない恐れがあります。

この点、社員は少なくとも経営理念には共感しているので、そこと結びつける形で「たいへんだけれど、頑張ってやろうよ」という形で巻き込む必要があります。

それゆえ、我々も今では、業務改善に取り組む前に必ず、会社の目的や経営理念をハッキリさせるということを意識しています。


メーカーであれば、「〇〇を作っている会社です」というのが一般的な自己紹介になります。しかし、〇〇という商品が世界で唯一無二のものであれば別ですが、たいていの場合、競合商品や代替商品があります。

そこで、会社の存在意義としては「〇〇を作っている会社です」では不十分で、「〇〇を作ることで、△△を実現する会社です」と主張できることが求められます。

そして、△△の部分も、単にお客様の笑顔や顧客の満足という綺麗なフレーズでは存在意義としてはやや脆弱。

仮に、耳障りの良い言葉を使うにせよ、「なぜ、『お客様の笑顔』なのか?」「どんな形で『顧客の満足』につないでいくのか?」を自分の言葉でちゃんと説明できることがポイントになります。

 

フレームワークというのは、考え方を整理するにはすごく役立つツールです。一方で、フレームワークの中の要素を一つひとつ積み重ねて、実務に落とし込んでいくのは、熱意と根気のいる仕事になります。けれども、途中で諦めずに続けていけば、必ず何かしらの成果に結びついていくものです。

内閣府に言われたからではなく、経営者自ら「自分の会社の存在意義は何か?」を追求し、常に意識することで、改善すべき対象も問題の解決方法も自ずと見えてきます

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