知恵の和ノート
経営理念と社内で普段行き交っている言葉は首尾一貫しているか?(第292話)
経営理念と普段仕事で使う言葉が連携していないのは成長が止まる会社
経営理念に沿って社員を普段使う言葉でしつけるのが成長し続ける会社
リザーブではなく、インパクトプレーヤー。
ラグビー日本代表では、控え選手のことをリザーブ(控え)ではなく、途中から入った選手が試合にインパクト(影響)を与えてほしいという意味を込めて、そう呼んでいるそうです。
確かに試合を見ていると、途中交代の選手が試合の流れを変えるような素晴らしい動きを見せてくれています。
このように、名前や名称を変えることで、その印象と意味合いが大きく変わります。
以前あるクライアントさんとの打合せで、お客様からのクレーム対応が多いのをどう減らしていくかということが話題になりました。誰しもクレーム対応は嫌なものです。一方で、お客様からのクレームには会社の仕事を改善する要素がいろいろと含まれています。
そこで、お客様からの苦情が入った時の社員の意識を変えるために「『クレーム』と言うのではなく、『お客様からのSOS』と呼んではどうか」という提案をしました。
お客様が怒って電話をかけてきた時にそれを「客からのクレーム」と考えるのか、「お客様からのSOS」と捉えるのかでは、長い目で見た時に、ちょっとした言葉遣いの違いなど、対応に変化が出てきます。
残念ながら、先のクライアントさんでは採用されませんでしたが(苦笑)、お客様からの苦情を受け付ける専門部署がある場合は、ぜひ使ってみてください!
弊社では経営理念を最上位とするトップダウン型経営を推奨していますが、経営理念で、いくら「お客様を大切にする」とか、「お客様の笑顔を大事に」という文言を掲げても、それが日々の仕事と結びつかないと意味がありません。
本当にお客様を大切にするのであれば、お客様からクレームが入った時に嫌々対応するのではなく、相手の立場に立って、話をよく聞いてその問題解決に寄り添う姿勢が求められます。
けれども、やはり嫌なものはできるだけ避けたいのが人間の本能です。
そこで、求められるのが、本能から生じるモヤモヤとした感情をいったん受け止めた上で、言葉でしつけることによって行動を変えること。
普段使っている言葉の影響はかなり大きいものあります。
社員が積極的に行動しないのは、社長がいつも否定的な言葉を使っているからかもしれません。また、社員が取引先とよくトラブルを起こすのは、社長が協力会社にちょっと見下すような言葉で、指示を出しているからという可能性もあります。
海外出身の選手が約半数を占めるラグビー日本代表が目指しているのは「ONE TEAM(ワンチーム)」。
ワンチームであれば、主力選手と控え選手と区別するのではなく、先発プレーヤーとインパクト・プレーヤーと分けた方がより自然です。
経営理念に沿った行動ができていないという場合、普段何気なく使っている言葉を、経営理念に基づいたら、どのような言葉になるのかを考えてみましょう。
経営理念を社員が口にするのは、せいぜい週1回か、月1回が普通です。一方で、営業やクレーム対応、経費精算や社内の報告などは毎日のように起きています。
まずは、身近なところから言葉でしつけることで、経営理念を浸透させ、行動を変えていきましょう。
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