知恵の和ノート
社員のやる気スイッチを探す前に、仕事が一定水準で回るスイッチを作る(第287話)
社員のやる気に依存して、仕事の質が安定しないのは成長が止まる会社
社員のやる気に依存せず、会社の責務を全うするのが成長し続ける会社
やる気を持って仕事に取り組む。
社員が全員こうあってほしいと社長が願っているかと思います。そのために、経営理念を作り、賞与を出し、社員教育にも力を入れておられます。
しかし、人間である以上、常にやる気を持って仕事をするというのは難しいという現実があります。
その原因は様々。
社長から怒られたということもあれば、大口の契約が取れなかったということもあるかもしれません。
また、同期は昇格したのに、自分は昇格できなかったということや、学生時代の友人と比べて、自分の仕事はたいへんなのに、給与が低いということで、やる気をなくす人もいます。
そして、昨今の人手不足を受けて、社員のモチベーションを高め、やる気を引き出す仕組みを作ることで、なるべく社員が辞めない会社を目指している社長も多いかと思います。けれども、価値観が多様化している現在において、社員全員がやる気を出して仕事に取り組むというのはかなり高い目標です。
それゆえ、まず社長が考えるべきは
- 社員にやる気がなくても、仕事を回すにはどうすればよいか
- その際、最低限会社として死守する仕事のレベルはどこか
です。
たとえ、社員にやる気がなくても、商品の納期を守るためには何が必要か。
販売する商品に不具合をなくすには、どのようなチェック体制が必要なのか。
お客様からのクレームに迅速に対応するには、どんな報告連絡ルートを構築したらよいのか。
ある知人が、「三流の人でも一定水準の仕事の成果を出すのが一流企業である」と言っていましたが、一流と言われる企業は、たとえ社員にやる気がなくても、仕事の流れとレベルを保っています。
一方の中小企業。
もちろん、中小企業でも一流と言われているところはたくさんあります。
けれども、多くの場合、仕事が人に依存しているために、「その人のやる気が下がる→仕事の質が下がる」という状況があります。つまり、社員のやる気で仕事の質が左右されるため、安定性に欠けるのです。
ある会社では社員数名がチームを組むことで、仮に担当者がやる気をなくしても、仕事に支障が出ないような取り組みを行っています。
また、ある会社では、今までOJTとして口頭で伝えられてきた仕事のノウハウを会社の知識として活用するプロジェクトを進めておられます。
人のやる気の問題は人の数だけ、答えがあるので、「これをやれば絶対に大丈夫!」と言えるものを作るのにかなりの時間と手間を要します。
しかし、社員がやる気がなくても、仕事を回すということに関しては、例えば、一部の仕事をアウトソーシングすることで、一定のレベルを保つ仕組みを比較的短期間で構築することもできます。
会社は社員のやる気如何に関わらず、お客様を求める商品をお客様が希望する形でお届けする責任を負っています。
まずは、その責任を全うできる仕組みを構築することがスタートです。
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