知恵の和ノート
優秀な社員がどんどん辞める会社を作る(第276話)
常識に囚われ、固い殻を破れないのは成長が止まる会社
常識を疑って、一歩先へ踏み出すのが成長し続ける会社
優秀な社員がどんどん辞める。
この言葉を聞くと、どのようなイメージを抱かれるでしょうか?
- 給料が低い。
- 仕事が厳しい。
- 会社に何かしら問題がある。
- 社員が会社の将来に不安を感じている。
- 仕事のやりがいや達成感がない。
- ますます人手不足になる。
- 会社に残るのは出来の悪い社員ばかり・・・。
おそらく、「優秀な社員がどんどん辞める会社=悪い会社」と考える人が多いのではないでしょうか。このために、普通は「優秀な社員が辞めない会社にするためにはどうするのか?」を考えて、その対策を打ちます。
けれども、いくら念入りに対策を打ったとしても、辞める人は辞めるし、辞めない人は辞めません。
それならば、いっそのこと、優秀な社員が辞めても、会社が成長していくという観点から考えると、どうなるでしょうか。
まず、優秀な社員が辞めても、仕事が回るためには人に仕事が依存しないことが大前提です。仮にアルバイトが入っても、すぐに仕事を任せられる仕組みが必要になります。
また、辞めた社員の穴をすぐに埋められるとは限りません。このため、システム化、効率化を進めて、できる限り少ない人数で仕事をこなせる体制も欠かせません。
そして、定着率が悪いということは、社員教育や人材育成にかける時間が少ないというを意味します。それゆえ、会社が目指していること、社長がやりたいことを簡潔かつ分かりやすく伝えられることもポイントです。
このように考えてくると、実は、優秀な社員がどんどん辞めるけれど、事業を続け成長していく会社は、かなりレベルが高いことになります。
例えば、リクルート。私もリクルート出身の方を何人か知っていますが、皆さん優秀な人ばかりで、リクルートを辞めた後で各分野でご活躍されています。
また、先日お会いした会社では、一定期間が経過すると、のれん分けのような形で社員の独立起業を後押しされています。そして、退社後も、その会社の協力企業として、事業を拡大する仕組みを実践されているのです。
つまり、優秀な社員が「くそがっ!」という形で会社を辞めるのではなく、「いろいろたいへんなこともあったけれど、お世話になりました!」という形で、会社を辞めるレベルまで持っていければネットワークも広がるし、「それなら、あの会社で3年間頑張りたい」という応募者も出てくる可能性があります。
常識と思われていることを、逆のサイドから検証すると、違った景色が見えてきます。
社員の離職率の低さをアピールする会社はたくさんありますが、「優秀な社員がどんどん辞める会社です!」と採用候補者に訴える会社を私はまだ見たことがありません。少なくとも、求人広告で見かけたら、目を引くのではないでしょうか。
辞めるのを防ぐのではなく、辞めても大丈夫な形にする。
会社に囲い込むのではなく、人を輩出することで輪を広げていく。
発想を転換することで、今までとは違う魅力が生れてきます。
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