知恵の和ノート
仕事の平準化が進まないのは、社員の本能に原因あり?(第274話)
人の本能を無視して、社員に過大な期待をかけるのは成長が止まる会社
人の本能を意識して、社長が過大な期待を捨てるのが成長し続ける会社
夏休みの宿題を計画的にやるか、ギリギリになるまでやらないで、最後に慌ててやるのか。
私の場合は典型的な後者でした(笑)!
毎年同じように苦労するのに、なぜ繰り返してしまうのか?
いま仕事で人材育成に関わっていると、「もしかすると、これが原因では?」と思っていることがあります。
それは、ギリギリになって一気にやることは楽しいということです。
宿題であれ、仕事であれ、途中の経過は苦しくても、「最後はなんとかできた!」となれば、それなりの達成感があります。そして、それは「自分はやればできるじゃん!!」という思い込みになります。
人の本能は快楽を求めることであれば、ギリギリで何かを達成することは最後の最後で充実感を味わうことにつながるので、どうしても繰り返してしまう傾向にあるというのが私の結論です。
一種の麻薬のようなもので、期限が迫ってくる時は焦るし、嫌な気分にもなりますが、最後の最後で仕上げることで、その瞬間はテンションが上がるのです。
夏休みの宿題の場合は、あくまで個人レベルの問題。親や先生からは叱られるかもしれませんが、他の人にはあまり影響が出ません。
けれども、仕事の場合はどうでしょうか。
仕事は一人だけで完結するものではなく、社内もそして、時には社外の人も巻き込むことになります。
最終的に納期に間に合わせることで、お客様には迷惑を掛けていないかもしれません。しかし、いつもギリギリになって間に合わせることで、他部署の人が残業したり、外部の協力先から嫌がられたりすることはありえます。
社長は、社員に対して「仕事は期限が決まっているんだから、そこから逆算してちゃんと段取りを決めろ」という指示を出します。
そして、もしその指示がなかなか守れていないとすれば、根本的な要因は、ギリギリになって仕事をすることは楽しいという社員の本能と結びついている可能性があります。
この場合、社員は頭では仕事を平準化したほうが良いと分かっていても、本能の方が勝るので、なかなか業務改善につながらないという状況が生れます。
先日のセミナーでもお伝えしたのですが、社長が是が非でも「これをやりたい」という熱い思いがないと、社員の本能が最終的に勝ってしまい、改善は進みません。そして、社員はやらないのは当たり前という前提に立って、粘り強くいろいろと仕掛けていくことが求められます。
子供の頃、いつも宿題をギリギリしかやらずに経営者になった私からの提言です。
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