知恵の和ノート
36年前の予備校講師の教えを会社経営に活かす(第254話)
社長が目前の成果に固執し、正解のない問題をすぐに諦めるのは成長が止まる会社
社長が受験生以上に集中して、粘り強く問題解決に取り組むのが成長し続ける会社
今週末には大学入試のセンター試験が実施されるなど、受験シーズンもいよいよ本格化してきます。
私が最後に受験シーズンを過ごしたのは、かれこれ36年前になりますが、予備校の最後の授業で、あるベテランの先生が、「たとえ第一志望の学校に合格できなくても、人生に大きな影響はないので、受かったところに行った方がよい」と言っていたのを今でも覚えています。
その時は受験直前だったこともあり、「そうは言ってもねぇ」というふうに感じていました。けれども、その後の人生を振り返ってみると、やはりベテラン講師の教えは正しかったと分かります。
志望している学校に入れないと、少なからずショックです。けれども、問題はその後。
いつまでも、それをコンプレックスとして引きずるのか、失敗は失敗として受入れ、新たな挑戦を続けるのかによって、その後の人生は大きく変わってきます。
今の受験生は分かりませんが、少なくとも我々の頃は、「いい大学に入れば、いい企業に就職できる」と、無条件に信じられていました。そして、将来安定した生活を送るためには、いい大学に入ることが必要条件と考えられていました。
つまり、関心があったのは、大学で何を学ぶかということより、いい企業に入るための切符、「〇〇大卒」という学歴だったのです。
受験生は、目前に迫った入試のことで、頭の中が一杯です。しかし、入試はあくまで入口であり、より大切なのは、その後で何を学び、何を実行するかという中味の部分。
日本の場合は、大学に入った後は、入るまでに勉強したほど、熱心に勉強しなくても、単位はもらえるので、そのまま、ほぼ問題なく卒業できるシステムになっています。このため、よほど意識して学生生活を過ごさないと、人脈ができるということ以外、人の実力として、上積みされる部分が少ないように感じています。
予備校の先生の教えは、表面的には「受験生生活は今回で終わりにしなさい」ですが、その奥には「人生は短いので、受験にばかり固執せずに、もっと広く、もっと深く学びなさい」という教えがあったのではないでしょうか。
受験生の時は入試問題がかなり難しく感じました。けれども、入試問題には必ず正解があります。一方、会社の問題は、一見簡単そうに見えても、どれも正解がないだけに、一生かけて解き続けなければいけません。
仕事で大事なのは、学歴よりも、考える力であり、最後までやり抜く根気とやる気と実行力。受験生以上に、経営者は頑張らないとダメだと、毎年この時期になると感じます。
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