知恵の和ノート
成功事例の活かし方次第で、運の強さも大きく変わる(第249話)
成功事例に酔いしれて、成功を運任せにするのは成長が止まる会社
成功事例を深掘りして、次の成功につなげるのが成長し続ける会社
- 相手の打つ手が見えていた。
- 目の前に大きなチャンスが広がっていた。
- 先方の次の一手が分かっていた。
- 自分の成果より、全体の成果を優先した。
どうでしょうか?
これだけの要素が重なると、なんだかとても上手く行く気がしてきます。
サッカー日本代表が8強入りを逃した対ベルギー戦。
最後は本田選手のコーナーキックから始まって、わずか14秒で逆転ゴールを許してしまいますが、その時のシーンを振り返る特集番組をやっていました。
ロスタイムに入り、残り時間もわずか。
最後のチャンスで勝利をもぎ取ろうと、日本代表は果敢に得点を狙いにいきます。
狙ったのはコロンビア戦の再現。コーナーキックからの得点です。
しかし、この作戦はベルギーのゴールキーパーに蹴るボールのコースまでよまれていました。そして、ゴールキーパーはパンチングではなく、キャッチングでボールをつかみ、既に走り出している味方の選手にすばやくパスを出します。
日本チームは得点を狙ってディフェンスの選手も相手陣営まで上がっていたため、ボールをもらったベルギーの選手の前はがら空き。選手はドリブルで一気に駆け抜けます。
迎え撃つのは日本のボランチ山口選手。
なんとかドリブルを止めにかかろうと、その一瞬にかけますが、相手選手の方が一枚上手。1回目、2回目とはドリブルの距離を変えることで、山口選手のタックルを交わして、味方の選手にパスを通します。
そして、その選手からベルギーのエースストライカーにゴール前に絶妙なパス。
誰もがシュートを打つと思っていたら、なんとその選手はパスをスルー。これには、ベルギーベンチもびっくりです。そして、最後は後ろから走り込んできたベルギーの選手が決勝ゴールを上げました。
パスをスルーしたエースストライカーによると、自分には日本の選手がマークについている一方、後ろから走ってくる味方の選手が見えたため、「よりゴールの確率の高い方を選択した」そうです。
本番の試合では、14秒というあっという間の出来事だったので、何がどうなったのかはよく分かりませんでした。
しかし、時を経て冷静に分析してみると、
- 相手の打つ手が見えていた→コースをよんだ上で、冷静にキャッチングを選択した
- 目の前に大きなチャンスが広がっていた→ドリブルで一気に駆け抜けた
- 先方の次の一手が分かっていた→タックルを巧みにかわして、味方にパスを出した
- 自分の成果より、全体の成果を優先した→より確率の高い方法として、ボールをスルーした
というように、勝った方には勝つなりの理由がきちんとありました。
「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」は、プロ野球の野村元監督の名言としても知られていますが、不思議な勝ちの背景にも、必ずその布石があります。
相手の打つ手がよめても、ミスをすることがあります。
目の前にチャンスが広がっても、その先につながらないことがあります。
先方の次の一手が分かっても、相手に負けることがあります。
自分の成果より、全体の成果を優先しても、結果が出ないことがあります。
しかしながら、より成功する確率が高いのは
- 相手の打つ手をよんで、それにふさわしい手を打つこと
- 目の前にチャンスが広がった時は、恐れず突き進むこと
- 先方の次の一手が分かったら、自分としてベストの方法を選択すること
- 自分の成果より、全体の成果を優先して行動すること
です。
今年やってみて上手くいった事例を振り返って、さらに来年、より上手くいくために何を続けていくのかを社内で共有しましょう。運を味方につけるには、より良い行動を愚直に続けていくことが早道です。
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