知恵の和ノート

2018/10/23

社長が社員に仕事を任せるための3ステップ(第242話)

カテゴリー :社員教育

社員の気持ちを忖度せず、権限と責任を丸投げするのは成長が止まる会社
社員の気持ちを忖度して、権限と責任を上手く移すのが成長し続ける会社

 

社長が社員に仕事を任せるための3ステップ
社員に仕事を任せる。

会社が次のステージに進む際には、必ず必要なプロセスです。


いつまでも、社長の指示待ちではなく、部下に権限を委譲して自主的に仕事をやらせてみる。

社長にとっても、最初は勇気のいることですが、ここを乗り越えない限り、いつまで経っても社長が日常の仕事に引きずられ、本来やるべき経営者としての仕事がないがしろになります。


けれども、この「社員に仕事を任せる」プロセスについては、どの社長も苦労されているところです。

 


そこで、社員に仕事を任せるには、順番が大事です。

まずは、

権限を一部委譲するが、責任は背負わせない

のが第1ステップです。


よほど、タフで、意欲的な社員でもない限り、仕事を任されると、「失敗したら、どうしよう?」と思うのが普通です。このため、仮に任せた仕事で上手く行かなかったとしても、「責任は全部俺が持つ」

ぐらいの勢いで、安心の場を作ることが肝要です。


この点、権限も委譲するが、責任も負わせる形で、仕事を任せると、簡単な仕事はすぐやるが、ちょっと難しい仕事には挑戦しない社員が必ず出てきます。

 


次に、ある程度仕事に慣れてきたら、

権限をすべて委譲し、説明責任を負わせる

という第2ステップに入ります。


仕事の一部ではなく、プロジェクト単位など、ある程度まとまった仕事を任せる感じです。この時にも、進捗状況など、必要に応じで任せた人に説明する責任だけは負わせます。


たまに、仕事を任せると、途中の経過や、何かトラブルが起こった時の対応などを上司に報告しない人がいます。この段階では、あくまでも、結果責任は任せた社長が負っているので、任された側がきちんと説明責任を果たし、報告する習慣を身につけさせることがポイントです。

 


そして、最後は

権限をすべて委譲し、説明責任と結果責任を負わせる

という第3ステップ。


これは人事評価とも関連してきますが、任せた仕事が上手くいけばきちんと評価し、仮に上手くいかなかった時は、その責任を自覚させる仕組みが必要となってきます。

この段階になると、途中で細かく口を挟むのではなく、定例会議などで、定期的に報告してもらい、社員の自主性をできる限り尊重することがポイントになります。


まとめると、

  1. 権限を一部委譲するが、責任は背負わせない
  2. 権限をすべて委譲し、説明責任を負わせる
  3. 権限をすべて委譲し、説明責任と結果責任を負わせる

現実問題としては、ステップ1の一部の部分を徐々に増やす過程を経て、ステップ2に移行する形になります。


しかしながら、実際には社員に仕事を任せるという名目の下、「権限も丸投げして、かつ、責任も丸投げ」しているケースが少なくありません。

そして、この場合は、仕事を任せているのではなく、単に仕事を押し付けているだけで、社員はなかなか育たず、結果として仕事の分業化が進みません。


能力が高いからといって、責任感も強いとは言えません。

「自分はそうやって、仕事を覚えてきたから」が、なかなか通用しないのが昨今の状況。社員に仕事を任せるには、相手の事情も忖度する余裕が経営者には求められています。

 

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