知恵の和ノート
不公平な人事評価に、会社として公平な基準を取り入れる(第228話)
経営理念と人事評価が見事にバラバラなのは成長が止まる会社
経営理念と人事評価が見事にリンクするのが成長し続ける会社
「『あまり報酬を気にするな』というメッセージを込めています」
面白法人カヤックの代表取締役柳澤大輔氏が同社のサイコロ給について説明した時に解説されていました。
毎月「基本給×(サイコロの出目)%」が、+αとして支給されるというサイコロ給。
その内容自体もたいへん面白いものですが、私が面白いと感じたのは、その施策の中にも首尾一貫した一本の線が貫かれていることです。
サイコロで給料が決まると聞くと、なんとなく「毎月給料が大きく変動するのか?」という印象を抱くかもしれません。けれども、実際にはそうではなく、あくまで+αとして支給される部分がサイコロの出目で変動するという仕組みです。
同社では360度評価も取り入れており、仕事は上司からだけでなく、部下や同僚からも見られて評価されます。
そして、どんなに精緻な人事評価制度を作ったとしても、誰もが満足し、納得する評価制度などはありません。
であればこそ、給料の一部を天に託すということがあってもよいのではという発想に基づいています。
面白法人と言っているぐらいで、給料の決め方もユニークです。
しかし、そこに留まらず、社員には他人の評価を気にせず、面白く働いてほしいという思いがそこには込められている点に強く感銘を受けました。
経営理念を作っても、実際にはなかなか浸透しません。
常に社長は社員に言い続ける必要がありますし、社員が自然と意識づけできる仕組みが欠かせません。
また、経営理念を社内に浸透させるためには、会社で行うあらゆる施策がその理念と結びついていることがポイントになります。
この点、「我が社はこれから単に売上を追うのではなく、お客様の満足度アップを追求していく」という方針を打ち出しても、社員に対する評価基準が売上に基づいて算定されるままであれば、多くの社員はお客様の満足度アップよりも、自分の売上アップを優先します。
経営理念に基づいて日々仕事が行われているか。
また、その仕事は経営理念に沿った形できちんと評価されているか。
そして、その評価の場合、会社として、経営理念に基づいてメッセージを社員に伝えているか。
いくら、経営理念を毎朝唱和しても、その真意は社員には伝わりません。
- 仕事を指示する時に伝える
- 仕事の評価基準を作った時に伝える
- 実際にその仕事を評価する時に伝える
以心伝心を期待するのは社長の手抜き。
面白法人の徹底的な面白さの追求の話に触れて、改めて痛感しました。
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