知恵の和ノート

2018/06/12

自社の価値判断の基準で相手を巻き込んで、収益につなげる(第223話)

カテゴリー :経営理念

売上や利益を優先して、相手の基準に擦り寄るのは成長が止まる会社
判断基準を優先して、売上や利益を引き寄せるのが成長し続ける会社

自社の価値判断の基準で相手を巻き込んで、収益につなげる

「これって誰か先生はいるのですか?」

弊社のサービス内容について、説明している時、こんな質問をいただきました。

おそらく、「ドラッカーの理論に基づいています!」とか、「京セラの稲盛さんに学びました」という答えであれば、先方も満足したのかと思います。

もちろん、ドラッカーの著作も読んだことはありますし、稲盛さんの教えの中で共感する部分もあります。また、お金を払ってビジネスに関する考え方や、マーケティングに関するノウハウを教えていただいた先生も10人以上おられます。そして、現在でも何人かの先生に教えを乞うています。

冒頭の質問をいただいた経営者には、「この部分はK先生に教えていただきました」とは回答しました。けれども、先方はK先生をご存知なかったので、その名前はメモされていたものの、あまりハロー効果はなかった模様です(苦笑)。

世の中には、ドラッカーのことは知っていても、弊社がお世話になったK先生のことは知らない人がたくさんおられます。

一方で、K先生のセミナーに参加したことはあっても、ドラッカーの本を1冊も読んでいない人も、またたくさんおられます。

そして、たいていは、人は自分の知っている知識や経験に基づいて、「これは価値がある」、「これはたいして意味がない」と判断します

それゆえ、相手の知識や理解度のレベルに合わせて、伝え方や伝える内容を変えるというのも、一つのやり方です。私自身も、従来はそのやり方を踏襲してきました。けれども、最近は少しそのやり方を修正しつつあります。

冒頭の経営者の場合、すごく勉強熱心で、知的好奇心も旺盛な方です。そのため、ドラッカーの「企業の目的は顧客の創造である」という言葉を使って、自社のことを説明すれば、もう少し共感を得られたかもしれません。

けれども、先方の価値判断の基準として、「有名な理論や考え方には敬意を払うが、あまり知られていない理論ややり方には興味を示さない」という部分が垣間見えたので、あまり深入りしませんでした。

相手を理解した上で、相手に合わせにいくのか、あくまで、こちらに引き寄せていくのか。

相手の価値判断の基準に沿って伝える場合、その基準値の尺度がこちらの尺度と違っていると、議論が平行線に終わる可能性があります。

先の例で言えば、極端な話

  • 先方の価値判断の基準:中味よりもブランド
  • 当方の価値判断の基準:ブランドより中味

と真逆なので、相手よりに話を進めると、どこかの時点で話は決裂します。

この場合、相手の価値判断の基準をひっくり返すことができないと、最終的に成約に至らないのです。

相手の価値判断の基準は先方と会って話をするまでは分かりません。しかし、自社の価値判断の基準は、自社の努力で予め自覚することができます。

言い換えると、自社の経営理念を明確にしているかが鍵を握っているということです。

売上を継続的に上げていくためには、自社の経営理念に沿った形で売上を上げること。理念に合わない形で売上や利益だけを追求していると、いろいろとストレスが生れます。

何をどう伝えるかを考える前に、自社としての価値判断の基準をハッキリさせましょう

自社の商品を本当に使ってもらいたいのは、はたして今日商談に臨む相手でしょうか?

 

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