知恵の和ノート
中小企業こそ大手企業の一歩先を走るマーケティングが必要(第222話)
大手企業の後追い戦略で、業績も下向きになるのは成長が止まる会社
大手企業の先行く戦略で、業績も上向きになるのが成長し続ける会社
テストマーケティングを繰り返しながら、徐々に売れる商品を作っていく。
マーケティングの王道とも言えます。
私自身もいろいろなマーケティングの先生にも学んでテストマーケティングを続けています。一方で、いわゆるマーケティングで体系化されているのは、大手企業向けの戦略であるということを感じています。
先日も、あるマーケティングのセミナーに参加したのですが、会社が解決したいお客様の設定がかなり大雑把なことに驚きました。
大手企業であれば、「10個の商品を開発して、そのうち1個がヒットすればいい」という戦略が取れます。
このため、ターゲットとするお客様の設定が多少ゆるくても、「なるほど!こんなニーズもあったのか」ということになり、「最初に立てた仮説もそれほどずれていなかった」と結論づけることができます。
しかし、中小企業の場合、「10個の商品を開発して、そのうち1個がヒットすればいい」というような悠長な戦略はなかなか取れません。そもそも10個の商品を作れる資金的な余裕があるかという問題もあります。
また、大手企業と比べると、販売量も見劣りするため、最初の開発資金を1個のヒット商品だけでカバーできるとは限りません。
このため、感覚的には、「3個の商品を開発したら、確実に1個は売れる商品にする」ぐらいでないと、事業を長く続けていくことができません。
それゆえ、最初からターゲットを絞って、誰の、どんなニーズに対応するのかを分かった上で、商品開発をしないと、一所懸命頑張っている割には、あまり儲かっていないという状況に陥ります。
この場合、マーケットの教科書的に言えば、「市場のニーズを探れ」、「お客様の声に耳を傾けろ」という行動につながります。しかし、表面的なニーズをつかんでも、たいていは空振りに終わります。また、お客様自身も「自分は本当は何が欲しいのか?」と明確に分かっているとは限りません。
それゆえ、大手企業が行う市場アンケートでは、なかなかつかめないニーズを自ら想像し、お客様の声なき声に耳を傾けないと、誰の、どんなニーズに対応するのかをしっかりと把握できないのです。
起業して、もうすぐ丸12年になりますが、私の結論は、マーケティングの理論をいろいろと学ぶ前に、自分は何がやりたくて、どんな価値を提供できるのかをハッキリさせた方が結果につながりやすいということです。
経営資源が限られている中、中小企業は広く浅くという戦略は不向きです。まずは1点突破で、そこから徐々に広げていく形でないと、事業を発展させていけません。
そして、その1点については、市場のニーズが目まぐるしく変わる中、単に「これ儲かりそうだ」とか、「今はこれが流行っている」という流れに巻き込まれてしまうと、見つけるのに時間がかかります。
まずは、自分ファースト。
経営者の資質が会社の業績に直結するだけに、自分は何がやりたくて、どんな価値を提供できるのかを自らの言葉に落とし込みましょう。
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