知恵の和ノート

2018/04/03

解任されない社長が会社を大きく浮上させるには(第213話)

カテゴリー :意識改革

現状に安住して、社長が自分や社員に甘いのは成長が止まる会社
常に変化を求め、社長が自ら意識改革するのが成長し続ける会社

解任されない社長が会社を大きく浮上させるには

Jリーグの浦和レッズの監督が解任されました。

開幕から5戦未勝利という結果を受けての解任と言われています。

先日もサッカー日本代表が海外遠征で1敗1分けと、思うような結果が出なかったことでハリルホジッチ監督を解任すべきかどうかが話題になっていました。

他のスポーツに比べると、サッカーの場合、チームの成績が良くないと、比較的早い段階でまず監督が責任を取らされます。

では、その監督に指導力がないかと言えば、必ずしもそうとは限りません。実際、昨シーズン途中で浦和レッズの監督を解任されたペトロヴィッチ氏は、今シーズンからはコンサドーレ札幌の監督に就任しています。

つまり、指導力があって、他のチームからオファーがある監督でも、直接指導しているチームで結果を出さない限り、途中で解任される恐れがあるという訳です。

一方で、中小企業の経営者。

特にオーナー経営で、自分が会社の株を保有している場合は、よほどのことがない限り、解任されません。

業績が悪かろうが、マネジメントに問題があろうが、何か対外的な不祥事でも起こして、自らその責任を取るという状況にならないと、その地位を保つことができます。

サッカーの場合、監督が変わると、選手の意識や起用法が変わり、悪かった状況から、抜け出すことがあります。

浦和レッズも、今回解任された堀監督に昨年途中で代わってから、守備を中心にチームを立て直し、アジア・チャンピオンズリーグで10年ぶり2度目の優勝を成し遂げました。

では、トップがなかなか交替することのない中小企業では、悪い状況から抜け出すには、どうすれば良いのでしょうか

人は自分が「変わりたい」と思えば、自ら変わることができます。

経営者という人自体が代わらなくても、その経営者が「今の状況から絶対に抜け出したい」と心底感じていれば、意識が変わってきます。意識が変われば、気がつくポイントも変わってきます。

あるクライアントさんに、「『これは会社の経営理念と合致するなぁ』と感じたことがあったら、仕事やプライベートを問わず毎日書き留めて、報告してください」という課題に取組んでいただいたところ、「なるほど、こういうことかぁ」というように、だんだんと感度が上がってこられました。

ここで大事なのが、本気で変わりたいと思っているかどうか

変化する過程で、いろいろと反動が出てくるので、本気で変わりたいと思っていないと、すぐに元の鞘に収まってしまいます。それゆえ、実際に追い込まれてから「変えたい」と思うのではなく、まだ余裕がある間に、「変えたい」と思えることがお薦めです。

クライアントさんを見ていても、トップが本気で「変えたい」と思っている会社は結果が出るのが早いです。

しかし、「(まぁ、できれば)変えた方がいいよね」ぐらいの意識だと、社員もけっして本気になりません。

サッカーの監督解任は一種のショック療法。

任期途中で解任される側からすれば、たまったものではありませんが、選手の奮起と意識改革を促し、チームを浮上させる手法としては一定の効果があります。

一方の中小企業の経営者。

オーナー兼社長兼プレイヤーと、最低でも一人三役をこなしているので、一気に情勢を変えるには何かと難しい側面があります。そして、先の三役の中で、意識を大きく変えられるのは会社オーナーとしての経営者です。

オーナーとして、今の社長である自分を採点した時に何点になるのでしょうか?

もし、合格点に達していないのなら、ダメ社長である自分をいったん解任し、可能性のある新しい自分を新社長に就任させましょう

一段高い視点から全体を見てみると、変えるべき要素は必ず見つかります。

 

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