知恵の和ノート
目標を設定したら我田引水して意味づけする(第212話)
目標が定まらず、他者の決めた意味づけに思い悩むのは成長が止まる人、目標を設定して、自分の決めた意味づけで突き進むのが成長し続ける人
「人生で起こることに意味のないものはない」
「すべての出来事には必ず意味がある」
成功した人がよく話すフレーズです。そして、これらは「どんなにたいへんなことがあっても乗り越えろ」という教えとつながってくる訳です。
たしかに、私の社会人生活を振り返ってみても、最初に銀行に入ったことから始まって、海外で駐在員生活を経験したことや、2回転職したこと、そして、12年前に独立したことなど、すべて意味のあったことだと感じます。
けれども、その意味づけというのはあくまで後付けのものでしかありません。
何かトラブルが起こった時に「これは自分にとってどういう意味があるのか」と考えることを薦める人もいます。
しかし、「なんで、自分はこんなたいへんな目に合わなければならないんだ」「この試練は自分に何をもたらすのだろうか」と思い悩んで、行動が止まるくらいなら、いっそ「これは自分にとってどういう意味があるのか」なんて下手に考えない方がベターです。
歴史もののドラマを見る時、我々は「西郷隆盛と大久保利通は意見が対立して、最後は西南戦争につながっていく」という史実を知っています。それゆえ、西郷と大久保が微妙にすれ違うシーンを見ると、「これが後の対立につながっていくのか・・・」というような意味づけを勝手に与えてしまいます。
もちろん、TVドラマの場合は制作側が将来への布石として意図的にそのような演出をすることがあります。しかし、現実の仕事や生活レベルのやり取りで言えば、「10年後は必ずこうなっている」という確定した未来を知っている人は誰もいません。
だから、実際に大きな壁として目の前に立ちはだかっている課題も、それ自体は本来何の意味もありません。もし、それに意味を持たせられるとしたら、「10年後にはこうなっていたい」という目標から逆算した時の意味です。
そして、その目標はあくまで自分が設定したものであることから、そこから逆算した意味は自分にとって都合の良い意味でしかありません。まさに我田引水です。
言い換えれば、「すべての出来事には必ず意味がある」と言える人は、あらゆる出来事を自分の都合の良いように解釈して、意味づけした人です。
でも、本来人間はそれで良いのではないでしょうか。
なぜなら、自分の人生の主役はあくまで自分だからです。
けれども、いろいろな情報が錯綜する中、他者が勝手に設定した意味づけに、思いの外悩んでいる人が多いように感じます。
そして、その多くは、「自分が本当は何をしたいのか」という目標が定まっていないことに起因します。
あるクライアントさんには、「『自分が本当は何をしたいのか』を考えて今月中に提出してください」という課題を出しています。
目標が明確であればあるほど、日々の出来事の意味合いもハッキリしてきます。
どんな目標が出てくるのか。すごく楽しみです!
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