知恵の和ノート

2018/03/20

桜の開花宣言の流儀をマネジメントに取り込む(第211話)

カテゴリー :コミュニケーション

定義と対象があいまいで、仕事を空転させるのは成長が止まる会社
定義と対象を明確にして、仕事を拡散させるのが成長し続ける会社

桜の開花宣言の流儀をマネジメントに取り込む

年中行事の一つとなっている桜の開花宣言。毎年「平年より〇日早く(遅く)」というように、必ず早い、遅いという比較とともに発表されます。

そして、これができるのは、「桜の開花とは花びらが5輪開いた状態」という定義と、「桜の開花の基準となる標本木」という対象が決まっていることに基づいています。

東京では靖國神社の拝殿の近くに桜の標本木があり、そこの桜の木で花びらが5輪咲いたら、東京での桜の開花が宣言されます。

同じ対象を基に、一つの定義で開花を宣言するのか、しないのかを決めているのため、時系列的な比較ができます。

また、桜の開花宣言を正式に行うのは、気象庁ですが、定義も対象も決まっているため、桜が開花したかどうかを誰でも判断することができます

つまり、言葉の定義が決まっており、その基準となる対象も決まっていることで、長期間に渡って、時系列的な比較もできるし、人の資格や能力を問わずに、同じ判断ができるという訳です。

すなわち、時間的にも、人的にも汎用性が広がっています

言われてみれば、非常にシンプルなことなのですが、これが会社の中での議論になると、

  • 言葉の定義が決まっていない
  • 基準となる対象が決まっていない

ために、仕事が空回りすることがあります。

もう少し正確に言えば、

  • 仮に言葉の定義が決まっていても、それが社内で統一されていない
  • 仮に基準となる対象が決まっていても、それが社内で周知徹底されていない

ということかもしれません。

もし、あなたの会社で、

  • 自分の意図する真意がなかなか浸透していかない
  • 日頃から注意していても、同じような問題がたびたび起こる

ということであれば、やり方を変える前に

  • どうしても伝えたいことをシンプルに表現する
  • 社員が見るべき指標を明確に指し示す

ことが先です。

「靖國神社にある標本木となる桜の木で、花びらが5輪開いたら東京の桜の開花宣言とする」ということであれば、たとえ小学生でも気象庁の職員とまったく同じレベルで、桜の開花宣言を行うことができます。

マーケティングではよく「小学生でも分かるような表現を使いましょう」と言われますが、これはマネジメントでも同じです。

同じ日本語でも、伝わりません。そして、簡単には伝わらないからこそ、伝わった時には大きな価値を生み出します

 

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