知恵の和ノート
会社経営における社員研修の位置づけを明確にする(第207話)
社員研修が経営理念と乖離し、一貫性がないのは成長が止まる会社
社員研修が経営理念実現の一環になっているのが成長し続ける会社
社員のレベルアップのために行われる研修。
社内で社員が講師となって実施されるものもあれば、研修会社を利用して行われるものもあります。
私もサラリーマン時代に、新入社員研修から始まって、いろいろと研修を受けてきました。しかし、振り返って、どれほど身についたかという点では、答えに窮するものがあります。
理由は大きく分けると、三つあります。
一つには、研修の目的がハッキリしないことです。
まだ新入社員研修の場合は、会社の仕事を覚える、会社の雰囲気に慣れるという点である程度の効果はあります。けれども、それ以外の研修になると、何のための研修で、どんな内容だったかも、ほとんど覚えていません。
二つ目の理由は、研修の効果を検証していないことです。
中には研修の最終日に理解度テストを実施することがありました。しかし、それはあくまで研修で学んだことを覚えているかどうかのテストであって、その内容が実際の仕事に活かされているかどうかまでは検証されていません。
そして、三つ目の理由は、自分でお金を払っていないことです。
自分が興味を覚えて自腹で参加したセミナーや勉強会は予想以上の内容のものであれ、期待外れのものであれ、比較的記憶に残っています。しかし、会社が会社負担で実施してくれる研修は、興味が薄いものもあり、投資したお金分は回収しようとする姿勢が足りなかったように感じます。
もちろん、これは私の実体験に基づくものであり、研修で学んだことをしっかりその後の実務に活かしている社員もおられたかと思います。また、今では会社の研修制度自体も、より良いものに改善されている可能性があります。
しかしながら、経営者の視点に立った時に、「せっかく社員研修にお金をかけているのに、思ったほどの効果が出ていない」と日頃感じておられる方は多いのではないでしょうか。
特に中小企業の場合は、大手企業ほど社員研修にお金と時間を割くことはできません。このため、最小限の投資で、最大限の効果を上げるためには、大手企業以上に工夫する必要があります。
そして、社員研修もあくまで業務の一環として捉えた場合、経営理念との一貫性や実際の仕事への落とし込みという要素は絶対に欠かせないポイントです。
- その研修をやる目的は何か?
- その研修の効果は検証できているか?
- その研修は社員が(自腹で参加したいほど)興味のあるものなのか?
すぐに正解が見つかるものではありません。けれども、自社の中で判断基準がある場合と、「なんとなく他社もやっているから」というように、流れに任せてやっている場合とでは、長期的に見て効果が大きく違ってきます。
経営理念がしっかり定まった後は、外部のリソースも有効に活用しつつ、社員研修も主体的に実施していきましょう。
★「コアコンセプト・マーケティング&マネジメント」の概要は「こちら」をご覧下さい。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。