知恵の和ノート
危機管理は安心感を壊しては作るプロセス(第205話)
形式を整えて、現状を安定させるのは成長が止まる会社
実体に迫って、現状に安住しないのが成長し続ける会社
会社の業務について検証する際、
- 整備されているか
- 運用されているか
という二つの観点から見る必要があります。
「整備されている」というのは、例えば、規程に書いてあるとか、フォーマットができているといったように、形としては存在するという場合です。
一方で、「運用されている」と言えるには、規程には書いてあるけれど、誰もその通りやっていないというのではダメ。形だけでなく、実体を伴う必要があります。
そして、ある程度業歴の長い会社でよく見られるのは、整備はされているけれど、(きちんと)運用されてないという状況です。
先日もある会社で、業務改善の制度はあるが、上手く機能していないということがありました。
制度としては決めたものの、上手く機能していないのには、いくつかの要因があります。
もともと社長の気まぐれで始まったというような属人的なものもあれば、状況の変化に伴って、制度として機能しなくなってきたという時系列的なものもあります。
新しく始めることに対して、人は抵抗があります。その一方で、続けていることを止めることにも、少なからず抵抗があります。脳科学的にも、人間の脳は変化を嫌う性質があるので、これらはある程度やむを得ない要素があります。
しかしながら、上手く機能していない制度をそのまま放置しておくことは、時には大きな危機を招きます。
部下から回ってきた書類に上司が印鑑を押すケース。
本来の目的からすれば、
上司として書類に不備がないかどうかをチェックする
↓
問題がなければ、自分もしっかり確認したという証として印鑑を押す
という仕組みです。
けれども、1日に大量の書類が回ってくる場合など、実際にはあまり内容も見ずにまたそのまま社長に回すという場合も少なくありません。この場合、印鑑を押した人には何か問題があった時に、責任を取らせるという意味では機能するかもしれませんが、本来の複数の目で見て、事前にリスクを回避するという点では機能していません。
働き方改革が叫ばれている中、整備はされているけれど、運用されてない業務については、本来の目的に立ち帰って一から見直しましょう。
痛い目にあってから業務を見直すのは気分的にも非常に嫌なもの。
たとえ満足していなくても、今の現状を変えるには少し勇気が要りますが、先憂後楽。業務改善も先手必勝です。
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