知恵の和ノート

2017/12/05

経営者目線を主軸に、社員目線をほどよく織り込む(第196話)

カテゴリー :経営者

社員目線に固執して、社長が社員に引きずられるのは成長が止まる会社
経営者目線を頭において、社長が社員を巻き込むのが成長し続ける会社

経営者目線を主軸に、社員目線を程よく織り込む

経営者目線社員目線

クライアントさんとのセッションの中で質問がありました。

ご本人としては、良かれと思って社員の立場を考慮して発言すると、「それは社員目線になってます」と、他の役員から指摘されることがあるそうです。

今は社長が「これをやれ!」と号令をかけても、全員が右向け右で動く訳ではありません。

  • なぜ、それをやる必要があるのか?
  • それをやることで、どんな効果があるのか?
  • それをやることは、自分にとってどんなメリットがあるのか?

これらのことがすとんと腹に落ちないと、なかなか人は動きません。

それゆえ、相手は何を考え、何をきっかけに行動するのかを社長が把握していないと、笛吹けど踊らず状態になってしまいます。

その時、必要となるのが社員目線です。社員の立場に立ってみて、どう感じるかを考慮することで、発言の中味も伝え方も変わってきます。

けれども、社長にとって必要な社員目線は社員が持っている社員目線とは違います

社員はあくまで、会社から給与をもらって働く立場。給料は高ければ嬉しいし、余計な仕事はできればやりたくないのが本音です。

このため、社長が「このままだと、ウチも10年後はどうなっているか分からないよ。だから、今のうちから新しい事業を始めよう」と社員を鼓舞しても、「まぁ、社長はそういうけど、今までも何とかやってこれたし、これからも何とかなるんじゃないの・・・」「今の仕事の上に、さらに仕事が増えるのは面倒だ」と思っているのが普通です。

ここで、社員の気持ちを忖度して、

  • 「そうか、やっぱり難しいよね」
  • 「今の仕事もたいへんだよね」
  • 「あまり無理難題を言って、辞められても困るし」

となってしまっては、社員にとっては物分りのよい社長と思ってもらえるかもしれませんが、経営者としては失格です。

もちろん、ブラック企業のように、無理難題を社員を押し付けて社員を疲弊させてはいけません。

けれども、今から新規事業に取組まないと将来はやばいと本気で思っているのであれば、社員の気持ちに寄り添った上で

  • 難しい→しかし、やる方法はあるのでは?
  • 今の仕事はたいへん→もっと業務効率できることは?
  • 辞められたら困る→社長の真意を理解できない人は退職しても仕方がない

といったように、更に一歩踏み込んで、あくまで目標に向けて社員を引っ張っていく力が必要です。

以前あるクライアントさんが、アルバイトも含めて社員一人ひとりと面談し、「自分はこんな会社を作りたい」「だから、仕事の内容も変えていきたい」と熱く語ったところ、ちょっと問題があって「あの社員は辞めるんじゃないかなぁ」と思っていた人も含めて、社員全員が「これからも頑張ります!」と宣言しました。

「ミイラ取りがミイラになる」と言いますが、いろいろな社長さんに接していると、「そこはもっと毅然としていたほうがいいのに・・・」と感じることがあります。

暴言を吐いたり、権力を振りかざして、無理やり社員を従わせることはありません。しかしながら、社員目線にどっぷりつかってしまい、経営者目線をなくしてしまっては元も子もありません

一時は嫌われるかもしれません。けれども、後になって、「あの時、社長の言うことを聞いておいて良かった」と、心底理解してくれる社員は必ずいます。

社長の本気が伝われば、会社は必ず良くなります。

 

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