知恵の和ノート
中小企業は大手企業と違う土俵で勝負する(第172話)
大手企業と同じ目線で、負け続ける競争に挑むのは成長が止まる会社
大手企業と違う視点で、勝てる分野で勝負するのが成長し続ける会社
赤ちゃんパンダ誕生のニュースに湧く上野動物園ですが、先日、和歌山県白浜のパンダがニュースで取り上げられていました。
「父の日にちなんで、パンダの永明に竹や特製の氷などがプレゼントされた」という話題です(笑)。
「そんなことでニュースになるのか」というのも驚きでしたが、もっと驚いたのは、その永明が「現在24歳で人間なら70歳を超える世界最高齢のお父さんパンダであること」と、「既に日本で16頭もの子供を作ったパンダであること」です。
日本に初めてパンダが来たカンカン、ランランの時代ならともかく、他の動物園にもパンダがいて、既に繁殖にも成功していることを鑑みると、おめでたいこととは言え、上野動物園でパンダの赤ちゃんが生れたことにマスコミが大騒ぎをすることに少し違和感を覚えます。
関西大の宮本勝浩名誉教授の試算によると、「今回の上野動物園のパンダの赤ちゃん誕生が東京都内にもたらす経済効果は、年間約267億円を超える」とのこと。この数字は2013年のプロ野球の楽天初優勝の経済効果(約230億円)を上回る規模になるということで、かなりインパクトのある数字です。
したがって、下世話な言い方をすれば
上野動物園にパンダの赤ちゃんが生まれたことで儲かる人が多い
↓
大きな話題として、ニュースに取り上げられる
ことになります。
一方の白浜のパンダ。
東京と和歌山の違いもあるかと思いますが、来年永明が頑張って17頭目の赤ちゃんを作っても、そこまで大きな経済効果は生まれないはずです。そして、おそらく今回の上野動物園のパンダ誕生ほどには、ニュースに取り上げられないかと思います。
しかし、パンダの繁殖の実績という点や高齢パンダの活躍という点では、かなり特筆すべき事象になるのではないでしょうか。
言ってみれば
- 上野のパンダ=大手企業
- 白浜のパンダ=中小企業
です。
同じような新商品の発表であっても、大手企業では盛んに取り上げられますが、中小企業の商品は話題にも上らないことが普通です。その要因の一つは経済効果の大きさの違いであり、「1,000億円はインパクトが大きくても、1,000万円ではインパクトが小さい」のは、致し方のない事実です。
ならば、我々中小企業は別の土俵で勝負するしかありません。
この点を踏まえると、今回のパンダのニュースで「父の日にちなんで、永明に竹や特製の氷などがプレゼントされた」というのは、話題のきっかけとしては面白いけれど、「取り上げて強調すべき点はそこじゃないでしょう」という気がします。
大企業では、なんてことない事実でも話題になりますが、中小企業では、鋭い切り口がないと、人々の関心を引きません。もしかしたら、あなたの会社でも、世間の人にあまり知られていないお宝が眠っているかもしれません。
大手企業とは違う視点で、自社の魅力を掘り起こしてみましょう。
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