知恵の和ノート
業務改善は目的の明確化がスタート(第167話)
個別の方法を変えて、業務改善した気になるのは成長が止まる会社
個別の目的を決めて、常に業務改善に取組むのが成長し続ける会社
最近業務改善についてご相談いただくケースが増えています。
いずれも共通しているのは、社員数が急速に増えている中で、今までのやり方では回らなくなってきたということです。
少人数で仕事をやっている場合は、一人ひとりの業務範囲が広いがゆえに、日常的な業務に関する不平や不満が埋没してしまうことがあります。しかし、社員数が増えてくることで、いろいろなしわ寄せが表面化してくるのです。
例えば、交通費の精算。
エクセルで交通費の精算票を作って、それを総務や経理でチェックするという場合
- 社員が交通費を正しく記入するとは限らない
- 入力とチェックという二重手間がかかる
- そもそも本当に業務で使った交通費なのか、業務以外で使った経費なのかを区別しづらい
といった課題があります。
これに関する解決方法はいろいろあります。
- 交通系の電子マネーカードを渡して精算させる
- 交通費精算の専用システムを導入する
- 交通費精算票は直属の上司が内容を確認してから経理に回す業務フローにする
といった具合です。
この時、大切なのは、どの方法で解決するかを決める前に、交通費精算という業務プロセスにおける目的をしっかり決めることです。
例えば、
営業マンが交通費精算に多くの時間を取られている
↓
結果的に帰社してからの残業時間の増加につながっている
という場合。
交通費精算の業務プロセスを改善することで営業部の社員の残業時間を減らすことが、業務改善の目的の一つになります。
また、時には、過去に交通費の水増し請求があって、会社の損失につながったという場合があるかもしれません。その際は、交通費精算の業務プロセスを改善することで、不正な請求を排除することが目的の一つになります。
このように、交通費の精算一つとっても、その業務プロセスの目的は様々です。そして、会社の置かれた状況によって、優先すべき目的も違ってきます。しかし、優先する目的が決まれば、自ずとその目的に沿った形での解決方法が探し出せます。
そして、交通費精算という切り口からだけでも
- 営業のやり方は今のままで良いのか?
- 経理の入力作業をもっと効率化できないのか?
- 更なる経費削減につなげられないか?
というように他の業務にも波及してきます。
完全無欠の業務プロセスなんていうのはありません。最初に掲げた目的に向けて一歩ずつ歩んでいけるかどうか。
業務改善を突き詰めていくと、最終的にはシステムの導入に行き着きます。ただし、その場合も最初に目的ありきです。
多額のコストをかけて結局は使えないシステムを導入しないためにも、まずは各業務の目的をはっきりさせましょう。
★業務改善で目的を決めるためには、最初に経営者が自分の価値判断の基準を知るのがベターです。そのための方法は「こちら」をご覧下さい。
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