知恵の和ノート
本質的な価値観に沿って事業を進める(第138話)
本質的な価値観に逆らって仕事を続けるのは成長が止まる会社
本質的な価値観に沿って仕事を発掘するのが成長し続ける会社
「今度こういう事業を始めたいと思うんですが」
クライアントさんとの打合せの中で、こんなご相談がありました。
新しい事業について検討する際、ダメ出しをするのは簡単です。
- 似たようなことを他社が既にやっている
- 利益が出るまでにかなり時間がかかる
- 経験がないとなかなか難しい
しかし、仮に他社がやっていても、やり方によっては差別化はできます。
また、利益が出るまで時間のかかる事業はかえってそのことが参入障壁になる可能性があります。
そして、未経験でも、お金を使ったり、人に助けてもらうことでカバーできることもあります。
このため、新しい事業について検討する際はまずは、どうやったらできるかということを念頭においてシミュレーションします。
しかし、事業を前に進める前提条件として、必ず確認しているのが、その事業は経営者の本質的な価値観に沿っているかどうかという点です。
新規事業が誰かから「これからは〇〇が儲かるよ」と言われて、やろうとしている場合、期待したほどの利益がすぐに出ないと、すぐに諦めてしまいます。
また、本当はAよりもBをやりたいと思っているのに、相談した人から「Bなんてたいへんだから止めた方がいいよ」というアドバイスをもらってAを選択した場合。Aを進めるための条件を一所懸命詰めていっても結局はなかなか前へ進みません。
しかし、本質的な価値観に沿った事業の場合、たとえ、すぐに利益が出なくても、なんとか利益を出そうと自らいろいろ工夫をします。また、自分が真底やりたいと思っている仕事の場合、経営者が話す際の目の輝きや顔の表情が全然違います。
お金が足りないから、人がいないから、経験したことがないから、といった理由で諦める前に、この事業は自分の本質的な価値観に沿っているかどうかを掘り下げてみましょう。
もちろん、長く会社経営を続けていく中では、当面のキャッシュフローを確保するために本質的な価値観とはそぐわない仕事をやらざるをえないことがあるかもしれません。けれども、それはあくまでも期限を区切った期間限定での対応です。
冒頭でご紹介したクライアントさんの新規事業は現在ご本人の本質的な価値観に沿った仕事かどうかを現在検証中。
需要としては顕在化しており、見込み客のニーズもちゃんとつかんでいるだけに価値観にマッチしていれば加速して進めていきたいと思います。
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