知恵の和ノート

2016/10/18

経営理念は背景と一緒に伝える(第137話)

カテゴリー :経営理念

表面的な経営理念で形式を整えるのは成長が止まる会社
意味深い経営理念で本音を伝えるのが成長し続ける会社

経営理念は背景と一緒に伝える

「お客様・スタッフ・地域に感謝・還元し」

先日お話をお聞きしたある会社の経営理念の一節です。もしかすると、同じような言葉はあなたの会社の経営理念の中に入っているかもしれませんね。
 

  • お客様を大切にする
  • スタッフ(社員)を大事にする
  • 地域に貢献する

ある意味当たり前のことであり、これだけ取り上げたら教科書的な言葉です。

しかし、その会社の経営者は冒頭で「なぜこの3つの言葉を経営理念に入れているのか」という話を熱く熱く語ってくれました。

詳しい話は省略しますが、その会社が大きなトラブルに見舞われて倒産寸前の危機に陥った時、そっと手を差し伸べてくれたのが、お客様であり、スタッフであり、地域の人々であったのです。

そのお話はかなりドラマティックで、「自分が同じ状況だったら、はたして踏ん張れただろうか?」という思いが正直よぎりました。

本質的なことは突き詰めていくと、非常にシンプル。このため、単に言葉だけを並べるだけでは伝わらないことがあります。

コアコンセプトを掘り下げる過程の中で、いろいろとお話をお聞きすると、経営者の方は皆さんいろいろな変遷を経て、今の状況を築き上げておられています。

ご本人にとっては当たり前すぎて、何の変哲もないストーリーと思われているかもしれません。

けれども、その話をお聞きする我々からすると、まさに人生いろいろを実感することばかりで、それぞれに重みがあります。そして、経営者が歩んでこられた人生が日頃のちょっとした言動やマネジメントの手法に大きく影響しています

だから、もしあなたが経営者としてこだわるものがあれば、「自分はなぜそれに執着するのか?」を深く掘り下げてほしいと思います。そして、それが自分でも納得できたなら、その理由や背景も含めて、まずは社内に、次に社外へと広く情報発信しましょう。

同じ「お客様を大切にする」という言葉であっても、会社によって、経営者によってその持つ意味は異なります。そして、その違いは性能や技術の違いよりも、相手の心に確実に届きます。

他社との違いを出すのにやっきにならなくても、すでに他社との差別化が生れていることはよくあります。

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