知恵の和ノート

2016/10/04

目的が加わってこそ学びの効果あり(第135話)

カテゴリー :社員教育

社長一人が頑張って学んでいるのは成長が止まる会社
社長も社員も競って学んでいるのが成長し続ける会社

目的が加わってこそ学びの効果あり

経営者とお会いするたびに思うことは、「みなさん、本当に学ぶことに貪欲だなぁ」ということです。

本を読む、セミナーに参加する、勉強会を主宰する。学ぶ形態は人によって様々ですが、忙しい業務の合間をぬって学んでおられる経営者がたくさんおられます。

では、このような勉強熱心な経営者の会社の社員が学ぶことに貪欲かと言えば、必ずしもそうとは言えません。

もちろん、中には経営者以上に一生懸命勉強している社員がおられる会社もあります。しかし、「勉強好きなのは経営者だけ?」と思われるような会社も少なからずあります。

先日もある会合で、たまたま経営者を知っている会社の社員の方とお会いする機会がありました。

話をお聞きすると、「(社長の指示で)研修を受けたんですが・・・」ということ。

「研修を受けてみてどうでしたか?」と質問してみると、「えぇ、まぁ・・・」というハッキリしない回答です。せっかくお金と時間をかけて研修には行かせたものの、どうもあまり本人の身になっていないのを感じました。

経営者の場合は、会社経営に活かすという目的がハッキリしています

けれども、社員の場合、目的をハッキリさせずに

  • 自分が読んで面白かったから、その本を読ませる
  • 自分が受けて良かったから、そのセミナーに行かせる
  • 有名な人がやっているから、その勉強会に参加させる

というだけでは、せっかくの親心も猫に小判という状況になります。

仕事のやり方はOJTで教えることができます。

しかし、中小企業の場合、経営資源の関係から、その仕事の基礎となっている理論、背景や考え方を社内だけで学ぶということにはどうしても限界があります。その結果、必然的に、本であれ、研修であれ、社外のリソースを使わざるを得ません。

その時、どうしても抜け落ちてしまうのは、なぜこれを学ぶべきなのかという視点です。

どんなに素晴らしい本であっても、どんなに優れた研修であっても、学ぶ側にそこから何を学ぶかというセンサーが立っていないと宝の持ち腐れになってしまいます。

逆に学ぶ側が「ここから何か一つでも盗み取ってやろう」という意欲を持っていたら、たとえ下らない駄作からでも、内容の薄いセミナーからでも学べることはたくさんあります。

けれども、そのような貪欲さを経営者以上に持っている社員はごくごく少数派。そこは黙って学ばせるのではなく、一言加えて学ばせる必要があるのではないでしょうか。

外部のリソースを活用するには一手間は欠かせません。

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