知恵の和ノート
不思議な勝ちも仮説を使って次に活かす(第131話)
目先の結果だけに拘り、仮説を灰色にするのは成長が止まる会社
将来の結果を見据えて、仮説に白黒つけるのが成長し続ける会社
歴史に関するドラマを見たり、本を読んだりする時、我々は結果を知っています。関ヶ原の合戦では徳川家康率いる東軍が勝ち、大坂の陣では真田幸村が奮戦するも、最後は敗れ去る。
結果が分かっているので、過去から順を追って描こうとすると、どうしても結果に至るまでの布石が必要になります。石田三成は理屈は通すが、人の感情には疎いように描かれるし、途中で寝返る小早川秀秋は、いかにも気が小さい人物になります。
これらのうち、どこまでが事実なのか、どこからが脚色なのかは分かりませんが、いずれにせよ、結果から立てる筋道は分かりやすいものになります。
さて、会社経営の場合、将来の結果は蓋を開けてみなければ分かりません。一方で、結果が出た後ではいろいろな解釈ができます。
先月弊社からご案内した新しいサービスもお陰様で無事お見合いも終わり、来月から正式にスタートします。
- ちょうどタイミングがあった
- ネーミングが良かった
- 価格とニーズがマッチした
など、いろいろな要因は考えられます。そのすべてが重なったのかもしれませんし、それとは違うことが決め手になったのかもしれません。
そして、気をつけなければいけないのは、上手くいった時は自分の都合の良いように解釈しがちであるということ。
関ヶ原の合戦で勝った徳川側からすれば、敵である石田三成は悪く描きたくなるし、淀君はわがままな人物でないと、倒す意義が失われます。
過去の成功体験に縛られて大きな失敗を起こすのは、なんでも都合の良いように捉えて、偶然が重なった幸運を実力と勘違いすることにあります。
だから、将来の結果が分からない現時点においては、仮説を立てられる力が大事です。たとえ、その時結果が伴わなくても、適切な仮説を立てられる力が備わっていれば、いつか必ず結果は伴ってきます。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。
これはもともとは野村元監督の名言ではなく、江戸時代の大名の著作に載っている名言とのこと。
不思議な勝ちの時こそ謙虚に仮説を検証することで、仮説を立てる力は更に磨かれ、次の勝ちにつながります。
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