知恵の和ノート

2016/07/26

お客様の声を業務改善に活かす(第125話)

カテゴリー :リスク管理

自社への批判をすぐに消すことに躍起になるのは成長が止まる会社
自社への批判を次に活かすことに躍起になるのが成長し続ける会社

お客様の声を業務改善に活かす

「御社がアップをされた記事に語弊・誤認があり、弊社の商売にも影響するものでして、弊社法務部が記事を取り下げていただくか、場合によっては完全なる商売妨害となるので法的手続きをと言っている」

先日、弊社の取締役がブログをアップしたところ、会社宛にこんな内容の電話がありました。記事を投稿してから10分も経っていない、すばやい反響です(苦笑)。

取締役が書いた記事は「お客様目線」に関するもの。昨年ある鉄道に乗った時に、利用者として気づいたことがいくつかあったので、そのことをブログに書きました。

もちろん商売を妨害するつもりもありません。また、あくまで実体験に基づき、マーケティングという観点から会社のサービスをより良くするためにどうするかを読者の方に分かりやすくご理解いただくために書いたものです。

「早めに折り返し電話して下さい」とのことだったので、私は先方に電話しました。話をよく聞いてみると、先方が「語弊・誤認」と言っているのは先方の誤認であることが分かりました。

取締役が書いたのは、行きに乗った普通電車のことです。その電車がとても混んでいたこともあり、「お客様目線から考えれば、改善の余地がある」という主旨のことを書きました。

しかし、先方が主張しているのはある観光列車のこと。観光列車は全席指定なので、混んでいて人が座れないということはないので、ウチの記事は「完全なる商売妨害」だという訳です。

もちろん、こちらだってご自慢の観光列車が全席指定なのは知っています。そして、旅行した時、その列車の指定席は既に売り切れていたため、我々はやむなく普通電車で行ったのです。

でも、その普通電車が2両編成で、まさに首都圏のラッシュ時並みの混雑だったので、立っていた人はかなりお疲れのご様子でした。このため、せっかく人気の観光列車があるのにもったいないと思ったので、そのことを記事に書きました。

一応、こちらもその主旨を説明しましたが、先方は聞く耳を持たず、「商売妨害なので、記事を取り下げないと訴える!」という主張を繰り返すばかり。

そんな会社と時間をかけて議論をするほど、こちらも暇ではないので、せっかく書いたブログは取り下げて、別の記事をアップしました。

会社をやっていると、いろいろな批判にさらされます。そして、誰だって批判されれば、気持ちの良いものではありません。

もちろん、中には誤解に基づく批判もあります。また、悪意を持った批判もたくさんあります。一方で、中には謙虚に耳を傾けるべき批判もあります。

今回、取締役が書いた記事は別にその会社の悪口を書こうと思って書いたものではありません。けれども、先方は一利用者の声ではなく、あくまで根拠のない身勝手な会社に対する批判であると捉えた模様です。

今回の一連の対応を通して、その会社のスタンスがよく分かりました。

業況が順調な時や仕事がスムーズに回っている時は会社の真の姿が直接表に出なかったりします。でも、問題が起きた時や、批判めいたことを耳にした時に本性の部分が出てくるのは、会社も人も同じです。

少なくとも

  • 書かれたものを冷静に読む
  • 相手の主張をまずは聞く

ということがないと、何の進歩もありません

一鉄道ファンとしてはとても残念なことですが、もうこちらの鉄道には二度と乗ることはないと思います。

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