知恵の和ノート

2016/07/05

削減よりも増加で現状を打破する(第122話)

カテゴリー :意識改革

経費削減で思考が終り、次の一手を打たないのは成長が止まる会社
経費増加の効果を探り、更なる実践を重ねるのが成長し続ける会社

削減よりも増加で現状を打破する

「議員報酬を今の半分に削減します」

参議院議員選挙のいよいよ後半戦。立候補される方の中には議員報酬の削減を公約に掲げられている人もおられます。

国会議員の場合、基本給として月額約130万円もらえる他、文書通信費(月額100万円)やJR等を無料で乗れる切符などが支給されます。以前「国会議員になると、何もしなくても年間2,000万円以上の収入がある」と発言して物議を醸しだした議員さんがおられましたが、一般庶民からすると、大切な税金を使ってきちんと働かないのはお金の無駄使いに見えます。

この点、自ら身を切る覚悟で、「報酬を減らして税金の無駄使いをなくす」というのはある意味とても耳ざわりの良い言葉です。

これを会社経営で考えてみた場合、役員報酬を減らして、経費の無駄使いをなくすのと似ています。
 

  • 売上が上がらない
  • 利益率が低い
  • キャッシュフローが回らない

会社で支出を見直す際にはいろいろなきっかけがあります。

特に固定費にあたる部分の削減はそのまま利益の増加につながるので、短期的には効果が高い方法です。しかし、怖いのは、そこで思考が止まってしまうということ。
 

  • 月額100万円だった役員報酬を50万円にする
  • 毎月300万円かけていた広告費を100万円に減らす

経費の削減は目に見える効果があるのため、すごくやった気になります。特に役員報酬を減らした時などは、「俺はやるべきことをしっかりやっている」という感覚がすごく強くなってきます。

一方で、

  • 役員報酬を減らしたことで経営者がいざとなった時に対応するための資産の蓄積が減っていく
  • 広告費を減らすことで、見込み客の数があまり増えない

ということも起こりえます。そして、これらの影響はすぐには表面化しないため、後でボディブローのように効いてくるのです。

事業投資として支出するお金を減らすことは誰でもできます。難しいのは、支出するお金を増やすことで長期的なリターンを増やすということ。

そのためにはお金を出す対象にもっと働いて稼いでもらうことが必要です。これを見極めるのは一朝一夕ではできません。

この10年、私もいろいろなことお金を使ってきました。中には事業投資としてまったく効果の出なかったものもいくつかあります。けれども、そのお金を使っただけの蓄積はかなり溜まってきたような気がします。

次の10年は今まで以上に積極投資目利き力の向上に努めていきます。

なんとなく閉塞感が漂う今の日本。

「議員報酬を今の2倍にしますが、その代わりに3倍の効果を出します!」

政治の世界で言えば、今の状況から一歩抜け出すには、こんな公約を掲げて実行できる人が求められているのではないでしょうか。

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