知恵の和ノート
役割分担を進めて、事業を発展させるための3つの条件(第120話)
経営者が一人で仕事を抱え込むのは成長が止まる会社
経営者が他者と仕事を共有するのが成長し続ける会社
「個人事業主から企業への発展過程において必要とされる要件について整理して述べよ」
学生の時の友人から、先日こんな宿題を出されました。
弊社のクライアントさんも、個人事業主の方もおられれば、既に会社を作られて10年以上となるベテラン経営者もおられます。
いずれにせよ、皆さんそれぞれの日々発展過程で奮闘されています。
あるクライアントさん向けには、Facebookで秘密のグループページを作って、「何かお悩みがあったら、何でもお気軽に投稿して下さいね」ということを申し上げています。
経営者のお悩みと言えば、資金繰りから始まって、売上をどうやって伸ばすか、社員との関係をいかに改善するか、など様々です。先日も先のクライアントさんから、既存のお客さんのフォローアップをどこまで行うかというご相談がありました。
個人事業主から企業への発展過程において必要とされる要件で言えば、私は3つあると考えています。
1.目標をハッキリさせること
2.現状をしっかり把握すること
3.ちょっとだけ勇気を持つこと
1.目標をハッキリさせること
例えば、お客さんのフォローアップの件で言えば、やはり経営者としては「せっかく契約してくれたお客さんなので、できるだけ手厚くフォローアップしたい」という思いがあります。
けれども、自分が本当にやりたいことなのかどうかということを掘り下げていくと、契約で最初に決まっているゴールまでは自分も得意だし、すごくやりがいを感じるけれども、そのゴールを達成した後のフォローアップはそれほど得意でもないということがあります。
すると、フォローアップ中に何か新たな問題が発生したり、クレームが起きたりすると、一気にやる気がそがれたりします。
会社の発展過程においては、業務の範囲が徐々に広まってきます。
しかし、まずは、自社のコアとなる業務の対象をどこに設定するかという目標をハッキリさせることをお薦めしています。
2.現状をしっかり把握すること
目標を決めた後は現状の把握。
例えば、既存のお客さんへのフォローアップ業務をアウトソーシングすることを決めた場合、いくらまでお金をかけられるかという予算の問題があります。また、お客さんのデータベースは整備されているかということが気になります。そして、現在行っている業務の具体的な内容が議論の出発点になります。
目標が決まり、現状が把握できれば、そのギャップが明らかになります。すると、自ずと今日やるべきことが分かってきます。
先のクライアントさんも、アウトソーシング候補先に連絡して、見積りを取るというのが、次回打合せまでの課題の一つになっています。
3.ちょとだけ勇気を持つこと
経営者が一人で全部やっていたら、たとえ上手く行かなかったとしても、自分自身としてはそれなりに納得がいくものです。しかし、社員であれ、社外であれ、他者に任せると、「あぁ、任せるんじゃなかった。やはり自分でやった方がいい」と、後悔することがあります。
また、お金を使って他者にやってもらっても、最初は思ったような効果が出ないこともあります。そして、毎月50万円なら50万円、100万円なら100万円を使うことは、目先のお金が減ることなので、最初は怖いかもしれません。
このため、自分の仕事を手放して、人に任せるというのはやはり勇気のいることです。
だからこそ、最初は少し怖くても「毎月10万円を使ってやってみる」ということがないと、いつまでも同じステージのところで行ったり来たりを繰り返す結果になります。
役割分担を決めて進める
1.目標をハッキリさせること
2.現状をしっかり把握すること
3.ちょっとだけ勇気を持つこと
結局のところ、個人事業主から企業への発展過程において必要とされる要件とは、役割分担を実行できるかどうかです。
事業を継続させるといっても、経営者一人でやるならなんとでもなります。しかし、事業を少しでも発展させながら続けていくためには、社員を雇うかどうかは別にして、人の助けは絶対に不可欠。
目標を定め、現状を把握し、ちょっとだけ勇気を持って、役割分担を進めていくことで、個人商店から会社組織へ徐々に発展していくのではないでしょうか。
さて、友人がこの答えで納得するかどうか。今から再会するのが楽しみです!
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