知恵の和ノート
難癖のある先生からも学ぶ(第117話)
特定の人からのみ学んで成果が出ないのは成長が止まる会社
どんな人からも一定の成果を学び取るのが成長し続ける会社
コンサルタントであれ、コーチであれ、「先生はちゃんと選んだ方が良い」と言われます。
確かに同じお金を払うなら、知識的にも人格的にも優れた人から学びたいと、誰しも思います。
私も先生を選ぶ際の基準として、「その人がどんなノウハウを提供しているのか」と同じぐらい「その人が人としても尊敬できるのか」を重視しています。
似たようなノウハウであれば、「この人の話なら素直に聞ける」という人から学んだ方が、「こいつの言っていることほんまかいや?」という人から学ぶより、聞く耳を持つ分効果が高いと言えます。
同じ言葉なら「誰が言うか」が大事という訳です。
しかし、最近はあまり人格的なものを以前よりも重要視しなくなっています。
一つには、いろいろと回数や失敗を重ねていく中で、この先生のノウハウは本物なのか、単に別の先生の受け売りなのかがだんだん見極められるようになってきたということがあります。
このため、期待通りだったか、期待以下だったかはあるものの、「これは思っていたものとは全然違った」という極端な外れはなくなりました。これは今までさんざん高いお金を投資してきた一つの成果かもしれません(苦笑)。
そして、あまり人格的な要素を気にしなくなったもう一つの要因は、自分が欲しいものがよりハッキリしたということにあります。
「これからの当社の事業展開にはこの知識が必要だ」ということが明確であれば、「学ぶのはA先生の方がいいのか、やっぱりB先生の方がいいのか」とあれこれ悩むより、「タイミングと金額という条件が合うので、A先生の講座に行こう!」と決断した方が格段に事業の進み具合が早くなります。
仮にA先生にちょっと癖があって、「自分はあの部分はどうかなぁと思う」というところがあっても、A先生のノウハウを学んで、次の商品に取り込むという目的がハッキリしていれば、確実に結果は出ます。
以前誰かのメルマガかブログで、「大きな病気にかかって死にかかっている時に、医師免許を持った新米の医者と無免許だけと腕の立つブラックジャックのどちらに手術を依頼しますか?」というような記事を読みました。
この場合、得られる成果を考えると、免許の有無よりも、実力の有無を優先する人がほとんどかと思います。
では、同じような状況において、いつも笑顔でやさしい近所の老先生と診療報酬も高いし、性格も癖のあるブラックジャックだったら、どちらに手術を依頼するでしょうか?
もちろん、「いつもお世話になっているあの先生にお願いしたい」という人もおられるかと思います。また、ブラックジャックが要求するようなお金は払えないという場合もあるかと思います。そして、「あんな性格の悪い奴には手術してほしくない」というお気持ちもよく分かります。
けれども、お金の問題がクリアできるのであれば、多少人格的に問題があっても、より成功確率の高い方法を選ぶというのは、会社経営では必要な要素です。
「ちゃんとした先生」という言葉も人によって、また、同じ人でも状況によって言葉の定義が違ってきます。自分の欲しいものがハッキリしていないと、たとえ「ちゃんとした先生」を選んだとしても、思ったほどの成果は出ません。
しかし、自分に足りないものが分かっていて、欲しいものがハッキリしていれば、「ちゃんとしていない先生」からでも一定の成果を上げることができます。
主体はあくまで自分。
たとえ、個人的に賛同できない部分が多少あっても、自分よりも優れている分野を持っている人であれば、その先生に依存することなく、どん欲に学び取りましょう。
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