知恵の和ノート
自責を身につけ、考え抜いて、成果につなげる(第115話)
他責中心で、できない言い訳を繕うのは成長が止まる会社
自責中心で、できる方法を模索するのが成長し続ける会社
「成果を上げてもらわないとね」
先月末でいったん契約が終了となったクライアントさんの会社に訪問した時のこと。その会社の経営幹部のお一人から以前こんな言葉を言われたことがあります。
もちろん、弊社ではクライアントさんに成果を出していただくために、コンサルティングやコーチングを行っています。
このクライアントさんに関しても、前々期は赤字だったのが、前期は黒字になりました。また、経営理念をもう一度見直す中で、そのコンセプトに沿った新しいサービスもリリースしました。
これらのことに少なからず弊社も貢献できたのではという自負はあります。しかし、それはクライアントさんがどう評価するかという話であって、こちらから「それはウチの成果でしょう」と声高に主張することはありません。
会社における主役はあくまで経営者や社員であって、コンサルやコーチは脇役。成果を上げるのはあくまで会社であって、業務の代行をやらない限り、コンサルやコーチが成果を上げることはありません。
このため、先の「成果を上げてもらわないとね」という言葉には、すごく引っかかりを感じました。
会社としては、多額のお金を払った以上、「絶対元を取りたい!」と考えるのは当然のことです。
100万円払ったら、少なくとも100万円の売上を上げるというのは最低限クリアすべきラインです。しかし、「100万円払ったら、100万円の売上を上げる」と、「100万円払ったら、100万円の売上を上げてもらう」とでは、大きな違いがあります。
前者はあくまで自責であるのに対して、後者は他責。他者に責任を転嫁しています。
自責の場合は、自分が主役なので、「どうすればできるのか?」という発想になります。一方、他責の場合は他者に依存しているので、「どうしてできないの?」と、自分でやろうとする思考が停止しています。
この場合、できない理由は無限に出てきます。
- また円高が進んでいる
- 日銀のマイナス金利は効果がない
- 大地震があって自粛ムードがある
- 他社が価格を下げている
- 社員が全然働かない・・・
でも、できない理由をあげつらうだけでは不十分。次に「では、ウチとしてどうすればできるのか」というところに一歩踏み込まない限り、成果は絶対に出ません。
仮に成果が出たとしても、それはたまたまの結果であって、状況が少し変わると、とたんに成果が出なくなります。
他責ではなく、自責。
先のクライアント先の社長にはこの点は何度も繰り返しお伝えしてきました。しかし、残念ながら会社の中で自責の概念を浸透させるまでには、もう少し時間がかかりそうな感じは受けていました。
成果を上げるのか、上げてもらうのか。
言葉のちょっとした使い方の違いで意識が変わってきます。
そして、今までの経験から申し上げると、他責の傾向が強い人が自責に変わるためにはかなり時間がかかります。
でも、自責の考え方が身についてくると、見えてくる風景や気になる視点が大きく変わってきます。たとえ時間がかかっても、自ら成果を上げ続けたいなら自責を身につけるのは必須です。
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