知恵の和ノート

2016/03/22

中途半端な存在は市場から消えさるのみ(第107話)

カテゴリー :リスク管理

特徴もないのに時代の流れに任せるのは成長が止まる会社
特徴を出して時代の流れを泳ぎ切るのが成長し続ける会社

中途半端な存在は消えさるのみ

今週末に迫った北海道新幹線の開業。その影響で一世を風靡した寝台特急カシオペアが廃止されるのが話題になっています。

一方、鉄道ファンならよくご存知かもしれませんが、今回のダイヤ改正によってJRから定期列車として走る急行がなくなります。特急というのはもともと特別急行。特別だったものが残り、もともとの源泉はなくなってしまうという訳です。

なぜ、急行はなくなってしまうのか?

私が子供の頃、JRが国鉄だった時代には、まだたくさんの急行列車が走っていました。

でも、急行から快速に格下げになったり、逆に特急に格上げされたりして、だんだんとその数は減っていきます。そして、普通列車の車両がどんどん新しくなっているのに、急行に使われる車両はお古のままという状況が続いていました。

一方、大半の私鉄と違ってJRの場合、急行に乗るには乗車券の他に急行券が要ります。停車駅が少なく、目的地に早く着けるというメリットを享受するためにお金がかかるのです。

特別な急行だった特急が大衆化する一方、普通列車も新たな設備投資を受けて、乗り心地が良くなり、スピードも速くなる。しかし、急行は、数は少ない、設備は古い、でも、追加料金がかかる。

結局、中途半端な存在だった急行がなくなるのはある意味当然の帰結かもしれません。

では、急行をあなたの会社に置き換えて考えた場合はどうでしょうか?

大手企業が従来よりも小さな市場にまで手を出してきているということはないでしょうか。

また、新興企業海外の会社が最新の設備やITを駆使して、あなたの会社の市場にじわじわ食い込んでいるということはないでしょうか。

先日お話をお伺いしたある中堅企業の経営者は、「自分たちはあくまでニッチな分野での世界一を目指す」という経営方針を話しておられました。

中途半端な存在だと市場からは消えてなくなります。

ちなみに最後まで残っていた急行は青森と札幌を結ぶ夜行列車はまなす。座席車の他に寝台車やカーペット敷きの車両も備えたかなりユニークな列車でした。

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