知恵の和ノート
会社の安定を30年前から振り返る(第96話)
流れに身を任せるのは成長が止まる会社
流れを自ら見通すのが成長し続ける会社
30年前のお正月と言えば、学生時代最後のお正月。
就職先も決まって、後は卒論を仕上げて卒業を待つばかりという感じでした。
当時は金融機関の人気が高く、同じゼミからも、興長銀、都市銀行、信託銀行合わせて9名が銀行へと進路を決めていました。
先日忘年会があって久しぶりに皆で集まったのですが、9名のうち、今でも銀行に勤めているのは3名だけ。そのうち2名は最初に入った銀行とは別の銀行に転職しており、残りの1名も経営破綻した長銀から新生銀行へという変遷を経ています。
当時の就職活動では銀行は絶対的に安定した職場であると言われていました。そのため、学生の人気も高かった訳ですが、当時13行あった都市銀行はいろいろな契機を経て今では4グループに集約されています。
そして、私を含めて周りの友人を見渡しても、30年経って同じ社名の会社で働いている人は9人中ゼロという状況です。
学生の就職人気ランキングやいわゆる大人の考え方が、いかに一面的であてにならないのかというのがよく分かる気がします。
30年前には、30年後に自分が会社を経営しているなんて思ってもみませんでした。この点、今の若い人の中には、最初から「3年後には独立起業しようと考えています」と意識しながら就職する人もいます。
また、リスクに対する危機意識という点では、バブル崩壊やリーマンショックを経ている若者の方がより高いのではないでしょうか。
いずれにせよ、将来の目標やリスクへの対応を意識しながら仕事をするかどうかで、同じ仕事をやるにあたっても数ヵ月で大きな差となって表れてきます。
能天気に流れに任せて働くのか、PDCAサイクルを回して常に仮説を立てながら、検証する姿勢を続けていくのか。
30年も1年毎、1ヵ月毎、1日毎の積み重ね。
今年一年は毎日をギュッと濃縮した日にしたいと思います。
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