知恵の和ノート
経営者は時には厳しく言うべきことを言う(第89話)
経営者が嫌われるのを気にして良い人を装うのは成長が止まる会社
経営者が会社の将来を思って嫌われ者になるのが成長し続ける会社
「有効期限切れ確認のお知らせ」
こんなタイトルのメールが届くと、受取った側は「えっ、いつの間に期限を過ぎちゃったの?」と焦るのではないでしょうか。
弊社も会社経営をしていく上でいろいろな外部のサービスを利用しています。
ホームページを一つ作るにしても、ソフトの購入から始まって、ドメインを取得したり、レンタルサーバーを借りたり、といろいろな会社の様々なサービスを使っています。そして、そのサービス期間も毎月自動更新されるものもあれば、半年に1回見直すもの、1年で切り替わるものなど様々です。
最初のうちは私もいちいち期限管理表を作成しました。けれども、件数が増えてくると、いちいち管理表を更新するのも面倒です。
また、期限が近くなると、サービス提供会社の方から「サービスご継続についてのお知らせ」というリマインドメールが届きます。このため、最近ではいちいち期限管理表を作らないで、リマインドメールが来たら更新手続をするという形にしています。
ところが、あるサービスを利用している会社からは毎年、「有効期限切れ確認のお知らせ」というメールが届きます。そのたび毎に「あれっ、サービス継続のお知らせを見落とたかなぁ」「もしかすると、あのサービスは止まっているの?」という気にさせられます。
中味を読んでみると、実際に有効期限が切れた訳ではなく、「もうすぐ有効期限が切れるので、早めの手続を」という主旨なのですが、毎年この時期に来るメールにはいつも一瞬焦らされている気がします。
さて、経営者が社員に指示を出す際にも、ソフトで穏やかな口調で話す経営者もいれば、怒鳴り散らかして「いいから俺の言う通りにやれ!」と半ば強引に命令する人もいます。
もちろん、社員の側からすれば、ソフトで穏やかな口調で話された方が変なストレスが貯まらないので良いかと思います。
けれども、会社全体で見た場合は
- 口調は柔らかいが、経営者の指示が浸透しない場合
- 口調は厳しいが、経営者の指示が浸透する場合
であれば、後者の方が良いケースもあります。
先のメールの件で言えば、
- 「サービスご継続についてのお知らせ」
- 「有効期限切れ確認のお知らせ」
の二つを比較した場合、受け取る側のインパクトは後者の方がより強いです。
実際、私も先に来た「サービスご継続についてのお知らせ」は「まだ期限が先だから」と思って、更新手続を先延ばしにしていましたが、「有効期限切れ確認のお知らせ」の方はなんだか急かされている気がして、すぐに手続しました。
もちろん、まだ有効期限が切れていないのに、やや誤解を招くような表現を使うことには賛否両論があると思います。けれども、そのメールを出す目的が期限の到来を知らせて早めの更新手続を促すということであれば、その目的は充分に果たしています。
同じように、経営者が社員に指示を出す場合でも、指示を出す目的は会社のためになる社員の行動を促すことだという観点から指示の仕方の良し悪しが判断されるべきです。だから、自分の虫の居所によって怒ったり、やさしくなったりするのは論外ですが、嫌われることを恐れて厳しい表現をあえて避けるのは、経営者として絶対やってはいけないことです。
経営者が単に気分次第で厳しいことを言っているのか、それとも、本気で会社のために厳しいことを言っているのか、すぐには理解されなくても、分かる人には分かります。
経営者が怒らなくても会社がきちんと回るのはベスト。でも、経営者が会社の将来より自分の評判を気にして、言うべきこを言わないのはワーストです。
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