知恵の和ノート
電話一本で垣間見える業務の改善点(第81話)
小さな綻びを大きな事故につなげるのは成長が止まる会社
小さな綻びを大きな改善につなげるのが成長し続ける会社
「弊社にはそういう者はおりませんが・・・」
面白いテーマだったので、ある会社のセミナーに参加したところ、翌日からその会社のAさんという方から会社宛に電話がありました。
その後も何度かお電話があったので、一度先方に電話して「今のところ、御社のサービスを利用する予定はないので、必要になったら、またこちらから連絡します」ということをお伝えしました。
すると、しばらくしてから、その会社のBさんという方から「担当者が代わったので、一度ご挨拶にお伺いしたい」という主旨のメールが到着。そこで、「先日Aさんにはお伝えしたのですが・・・」と返信したところ、Bさんからは冒頭の回答があり、「弊社から御社に連絡しているのは私だけです」というメールが届いたのです。
では、いったいAさんはどこの誰なのか?
まず当社では電話代行サービスを利用しています。
少人数でやっており、外出時や打合せの時は電話に出られないことも多いので、とても便利なサービスです。電話があると、「○○会社の××さんから□□の件でお電話がありました」というメールが届くので、たいへん助かっています。
営業でかかってくる電話はほとんどスルーします。
けれども、Aさんの会社の社長とは一度お会いしたことがあり、「そのサービスはすごい良いものであり、ウチでは今すぐ必要はないが、場合によってはクライアントさんのニーズに合うかもしれない」という思いがあったので、一度折り返して電話をしたのです。
今思い出してみると、先方に「Aさんはおられますか?」と電話した時に、一瞬だけ間があって「Aでございますか・・・。少々お待ち下さい」とあってからAさんにつないでもらいました。
後で分かったことですが、Aさんというのはこちらの聞き違いで、正しくはA´さんでした。このため、Aさんには既にお話しているとBさんに伝えた時に「弊社にはそういう者はおりませんが・・・」という返事が来たのです。
これは当社の改善事項です。
一度Aさんと思い込んでしまうと、次にA´さんから電話があっても、「またAさんからの電話だ」と認識してしまいます。最初からA´さんには既にお話していると正確に伝えていたら、Bさんとのやりとりももっとスムーズだったかもしれません。
一方で、余計なお世話かもしれませんが、一連のやりとりから、Bさんの会社は、見込み客に対する情報の共有化がされていないということが推測されます。
新しく当社の担当になられたBさんからすれば、前任者から引き継ぎを見る限り、当社に連絡しているのは自分だけのはずです。一方で、A´さんは、セミナーに参加した会社には既に担当者がいたことを知らなかった模様です。
会社がある程度大きくなると、違う部署から複数の営業セールスが行われるということがあります。けれど、セールスを受ける側からすると、「一回説明しているのに、何度も同じこと言わせるな!」という気になります。
これではせっかくサービス自体には好感を持っていても、ファンをがっかりさせる原因にもなります。
ちょっとした電話やメールのやりとりでも会社の業務の問題点が垣間見えます。
自社の改善事項は真摯に反省し、他社の課題は自社への戒めとして活用したいと思います。
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