知恵の和ノート
業務フローの改善点は無限大(第77話)
一度決まった業務フローを頑なに順守するのは成長が止まる会社
一段上を目指し業務フローを柔軟に見直すのが成長し続ける会社
ある日のこと、午後からの打合せに出かける前にちょっと早めの昼食。出てきたのは、おにぎりとおかずがワンプレートに載ったランチでした。
家内曰く、「これだと洗うのも簡単でしょっ!」
その日は家内も午後から仕事があり、外出しなければなりません。このため、昼食を作るにあたって、後片付けが簡単なもの、時間がなくなって最悪食後の洗い物ができなくても、あまり支障のないメニューや盛り付けを考えて昼食を作ったそうです。
料理がまったくできない私は「へぇー、そうなんだ。すごいなぁ」と関心するばかりでした。
また、先日、静岡県で飲食店を経営するクライアントさんに「せっかくお茶の産地でお店をやっているので、お水ではなくて、お茶は出せないですかねぇ」と質問したところ、「健康志向っていう点ではいいかもしれませんね」と一言あってから、先方はいろいろ考え始めました。
「採算的にみてどうだろう??」
「お茶を沸かすとなると、あのスペースを使うか」
「そのままにしておくと、だんだん味が薄くなるし・・・」
「冬はやっぱり熱いお茶の方がいいかなぁ」
こちらは軽い感じで聞いたのですが、収益面での計算から実際のオペレーションに至るまで、かなり詳細に検討され始めたので、かえって恐縮してしまいました。
このように昼食にしても、お茶一つにしてもそれを出すにあたっては一連の業務フローがあります。美味しい料理を作る、採算が取れる値段のお茶を使うというのは誰でも考えることです。
しかしながら、料理を出す前には、食材の準備や盛り付けというプロセスがあり、食べ終わった後には必ず片づけ、食器洗いが発生します。
また、お茶にしても、茶葉から沸かして入れるのか、パックを使うのかという選択肢の違いもあれば、夏は氷入りがいいし、冬は温かい方が嬉しいという季節要因に基づく違いもあります。
すると、何気ない、普段よく見かけるサービスであっても実はすごく奥が深いことが分かります。そして、逆に言えば、一見するとそれ自体は他社とはあまり大きな違いはないように見えるサービスでも他社との違いを出せる要素はたくさんあるのです。
日本の場合、製造業ではコスト管理、プロセス管理が非常にしっかりして高品質の商品を大量に作り出すことに優れている会社がたくさんあります。
一方で、サービス業や管理部門の仕事に関しては
- 1分1秒を大切にする
- どうやったら一つの作業を減らせるのか、徹底的に追求する
といったことがまだまだぬるく、やる人任せになっている面があります。
業務フローを最初から最後まで見直すと改善できる点は必ずあります。しかし、それを実際にやっている社員が自ら問題点を発見し、積極的に改善するとは限りません。その場合、経営者が自ら音頭を取る必要があります。
実際、お茶を出せないかと質問したクライアントさんも「現場に聞いたら絶対に『できません』という回答ですよ」と苦笑されていました。
業務フローの改善に終わりなし。
他社より一歩先んじるために更なる高みを目指しましょう。
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