知恵の和ノート
事業継続は地道な以心伝心から(第70話)
注目を浴びる企画にばかり注力するのは成長が止まる会社
目に見えない取組み姿勢に着目するのが成長し続ける会社
「1回500円で6ヵ月モニターになってもらえませんか?」
先日お話をお聞きしたアロマセラピストのAさんは仕事を始める時、「最初は広告宣伝費だ」と割り切って、格安の価格で200人に施術することを決めました。今では1回1時間で5,000円~でやっておられるので、始めた当初は超格安の値段です。
でも、値段は安いからといって一切手抜きはなし。
「わざわざ来てくれるお客様がどうやったら満足してもらえるか?」といった観点から細かい心配りを随所に発揮されました。
そして、6ヵ月のモニター期間が終わり、正規料金のサービスを始めた時、2名を除いて全員がサービスを継続したそうです。
モニター期間中も人によって来店頻度は様々。毎週のように来る人もいれば、1ヵ月に1度、3ヵ月に1回の割合で来る人もいました。そして、サービスを継続しなかった2名のお客さんは「安いから」という理由で毎週のように来ていた人でした。
新しく事業を始める時、「こんなお客様に来てほしい」「このようなお悩みを持った人の役に立ちたい」というのはどの会社でもあるかと思います。
一方で、最初に集客する時にエッジを立てると、どうしてもその特徴に惹かれて来るお客さんがいます。先の事例で言えば、「ワンコインでトリートメント」と低価格を売りにしていたために、安さにひかれてくる人がいるのは仕方がないところです。
このため、始める側とすれば、「もし、値上げした時にお客様がいなくなったらどうしよう?」という不安はあったはずです。でも、Aさんのまじめで一所懸命な施術ぶりと心からのおもてなしに、ほとんど人は感激してそのまま常連客となりました。
中には親子連れが来店していた時に、娘さんが「500円だから友達にも紹介しよう!」と言った時に、その母親が「安いからと言って誰でもかれでも紹介したらお店に迷惑がかかるからダメ!!」「ちゃんとその後も続けて来るような人にだけ声をかけなさい!!!」と、すかさずたしなめたというエピソードも。
結局良いサービスをちゃんと続けていれば、良いお客さんが自然と集まるということかもしれません。
新規事業でスタートダッシュを切るために、集客の目玉を作るのはそれほど難しいことではありません。しかしながら、その集めたお客さんに対して、どのような姿勢で向き合うか、そして、何を徹底するかによって単なる客寄せで終わってしまうか、ロケットスタートの発射台になるのかが違ってきます。
目玉は分かりやすく、即効性がありますが、仕事に対する取組み姿勢やこだわりは目に見えないために、じわじわと浸透していくものです。
事業は続けてこそ価値があります。
あなたの会社でじわじわ浸透させていくものは何でしょうか?
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