知恵の和ノート
関心の矢印の向きを自分から相手に変える(第69話)
無意識に自分にだけ関心を向けているのは成長が止まる人
意識的に相手にも関心を向けられるのが成長し続ける人
この専門コラムも今回で69話目になります。
昨年の3月11日から始めて毎週1回のペースで更新しているので、1年3ヵ月ほど続けています。
今では「今週は何を書こうかなぁ」と自分でも楽しみにしていますが、起業した当時は文章を書くのがとても苦手でした。
「集客のためにはブログやメルマガをやらないと絶対ダメ」と、マーケティングの先生にはさんざん言われました。でも、今一つ気分が乗らなかったのです。
そして、最初にメルマガを書き始めたのは今から4年前、あの東日本大震災が起きた後のことでした。
「いつかやろう」と思っていても、その「いつか」が来るとは限らないという現実を思い知らされた時、いつまでも「いつかやろう」「そのうちやろう」と先延ばししていてはダメだと思い、ようやく重い腰を上げたのでした。
私の性分からすると、「条件をしっかり整えて、ちゃんとできるようになったらやろう」という考え方に陥る傾向があります。
しかしながら、「条件をしっかり整えて」と考えていても、完璧な条件などなかなか整うものではありません。また、「ちゃんとできるように」と言っても実際には何年かかるか分かりません。
結局、なかなか行動できない原因は、恰好良く言えば、「中途半端な仕事はしたいくない」ということですが、本音を言えば、「えっ、こんなものなの?」と人から思われたくないということです。
つまり、向いている矢印の方向が自分であるので、常にいろいろな言い訳を考え、批判され、恰好悪い自分を認めたくないために新たな行動を避けることで自分で自分の身を守っているのです。
こんな状態の時は震災のような何か大きな問題が起きたり、会社の資金繰りが厳しくなる事態にならないと行動を変えることはなかなか難しいのが普通です。
一方で、向いている矢印の方向が相手である場合、
- 「相手が喜んでもらうにはどうすれば良いか」
- 「この問題を解決するためには何をすれば良いか」
というように、自然と行動と結びつきます。
社会人になって29年。起業して9年。
ようやく気がついたのは、私の場合、向いている矢印の方向が常に自分であったということです。
それでも、銀行のように大きな看板を背負って仕事をしている時は、矢印の方向が自分に向いていてもなんとかなります。しかし、独立して自分が看板であるという場合、矢印の方向が自分に向いている限り、常に成長を続けるのは難しいということが分かりました。
冷静になって考えてみると、売上や利益をもたらしてくれるのはお取引先という自社の外。このため、お取引先という「相手に関心の矢印を向けないでどうする」というのはすごく当たり前の話です。
でも、相手のことを見ているようで、実はあまり見ていないというケースは意外と多いのではないでしょうか。
4年前にメルマガを始めた時の文章を読み返してみると、読みにくいし、一人よがりだし、誰に向けて書いているのか、よく分からないというものばかりです。その当時は「こんなに一所懸命書いているのに、なぜ反応がないのか?」分かりませんでした。しかし、今ではなぜ反応がなかったのかが痛いほど分かります。
自分が一番関心があるのは自分。
これは人間誰にでもあてはまるやむを得ないことです。だからこそ、少しでもその関心の矢印の向きを変えることができたら、その他大勢の中から一歩抜け出すことはできます。
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