知恵の和ノート
言い訳はやる気のない証拠(第68話)
やれない言い訳を積み重ねるのは成長が止まる会社
やるための工夫を積み重ねるのが成長し続ける会社
あるクライアントとの打合せしている時、「今後はセミナーをやったほうがいいですね」という意見が出てきました。
そこで、私が「では、なぜ今はセミナーがやれていないのですか?」という質問したところ、最初に出てきた答えは「場所がない」。つまり、事務所があまり大きくないので、20人ぐらいが参加できるセミナーの場所がないというのが最初の理由でした。
次に、私が「公共の施設を借りてセミナーをやったらダメなのですか?」と聞いたところ、「それでも問題はありません」という回答。
「じゃぁ、『場所がない』という問題は解決ですね!」
「そうですね(笑)」
実はクライアントさんの競合他社は自社が持っている施設でセミナーや説明会を行っています。このため、クライアントさんの頭の中ではどことなく、「セミナーをやるなら自社の施設でやる」のが刷り込まれていました。
すると、「自社の施設は小さい→セミナーをやる場所がない→セミナーをやれない」という思考回路になっていたのです。
場所の問題が解決した後、セミナーができない理由として出てきたのが、「人がいない」。
クライアントさんの会社は社員10名以下の少数精鋭でやっています。
このため、仕事が集中した時には全員で対応するので、もしセミナー開催日と仕事が集中する日が重なると、セミナーに人数を割けないというのを心配されていました。そして、これは競合他社は社員数も多く、セミナーや説明会を専門に行うスタッフがいることを念頭においたものでした。
そこで、私が「でも、毎日毎日忙しい訳ではないですよね?」と質問すると、「毎年これから夏にかけては比較的忙しくないんです」というお答え。
どうやら、これで二番目の問題も解決しそうです!
このような質疑応答を繰り返しているうちに、「今セミナーをやれていないのは、結局は『やる気』の問題かもしれませんね」という発言がクライアントさんから出てきました。
物事を進めていくためには、準備=必要条件が要ります。
そして、物事が進んでいない時に出てくる理由の多くは、「〇〇がないから」というように必要条件が整っていないというものです。〇〇は先の事例のように場所であったり、人であったり、場合によってはお金であったりします。
しかし、たいていの場合、見方をちょっと変えれば、「ない」から「ある」に変えられるし、知恵を絞れば、別の方法でやるという選択肢もあります。また、今すぐには難しくても3ヵ月かければできるというように、時間が解決してくれることもあります。
つまり、これらの問題はやろうと思えば、最後はどうにでもなるものばかりです。
逆に言えば、経営者が、そして、社員がやろうと思うかどうかが鍵を握っています。
極端な話、一所懸命頑張っても1,000円しか儲からない仕事にはやる気が起きませんし、頑張れば1,000万円の利益につながる話であれば、がぜん目の色が違ってきます。
できない理由が次々と出てくる時はそもそもやる気のない証拠。
そして、一見面倒くさそうな仕事にやる意義を見い出せるかどうかは会社の成熟度にかかっています。
あなたの会社ではやる意義を見い出し、社員にやる気を出させるために、どのような工夫をされているでしょうか。
私も冒頭でご紹介したクライアントさんが、どのような作戦を考えてこられるのか、今から次の打合せがとても楽しみです!
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