知恵の和ノート
軸を定めてPDCAサイクルを回す(第66話)
上司や外部の評価を軸にPDCAに取組むのは脆い会社
自分の信念や目標を軸にPDCAに取組むのが強い会社
創業間もないベンチャー企業と設立から30年以上になる大手企業。
どちらがPDCAサイクルをきちんと回しているでしょうか。
しょっちゅうやることが変わるベンチャー企業より優秀な社員もたくさんいて組織体制も整った大手企業の方が、ちゃんとP:計画を立て、D:実行し、C:評価も行ってA:改善につなげている印象があります。
でも、実際には人も少なく、経営資源も乏しいベンチャー企業の方がちゃんとPDCAサイクルを回しているということがあります。
もちろん、経営計画だけ見ると大手企業の経営計画の方が
- 市場分析がしっかり行われている
- 過去の業績を踏まえた数字になっている
- 担当者から課長、部長、役員のチェックを経て、それぞれの意見や考え方を反映している
可能性が大きいです。
それに比べると、ベンチャー企業の経営計画は
- 市場分析にやや偏りがある
- 過去の業績自体があまりあてにならない
- 経営者の意向が色濃く反映している
ため、その信憑性に疑問符がつく計画である恐れがあります。
実際、ベンチャー企業の場合、期初の計画では「商品Aを最優先で作ります」と言っていたのに、半年経ってみると、「商品Bの開発に取組んでいます」となっていることがあります。
つまり、PDCAのP(計画)の部分だけに注目すると、ベンチャー企業の計画は見通しも甘いし、しょっちゅう変わるので、あまりあてになりません。
けれども、PDCAサイクルという一つの動きとして捉えた場合、
- 甘い見通しの計画→まずは実行を最優先にする
- すぐに変わる計画→ダメならすぐに次の手を打つ
とも考えられるので、実はかなり高速でPDCAサイクルを回していることもあるのです。
実際短期間で成長するベンチャー企業は創業期の段階において、必死にPDCAサイクルを回すことで問題を片っ端からつぶしていって大きな成果につなげています。
この点、大手企業になると、PDCAサイクルを回していると言っても、表面的にきちんとした報告書を作ることに力点が置かれるあまり、本来解決すべき問題点を先送りしていることがあります。
これでは、サイクルを回していると言っても、単に書類を回しているだけで、空回りです。
一方で難しいのが、高速でPDCAサイクルを回しているからすぐに計画が変わっているケースと、何も考えずにやたらとあっちこっちに手を出しているために、すぐに計画が変わっているケースが外部からはすぐには見分けがつきにくいということです。
高速で回転するためには軸がしっかりしていなければダメ。軸がぶれたままでは回転はおろか、着地も定まりません。
この場合はサイクルを回しているのではなく、周囲の意見に振り回されているだけで、これも空回りです。
あなたの会社は軸をぶらさずにPDCAサイクルを回しているでしょうか。
それとも、空回りしているだけでしょうか。
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