知恵の和ノート
目標を達成するために最適な方法を選ぶ(第62話)
お金と時間をかけずに目標達成を先延ばしするのは脆い会社
お金と時間をかけても目標達成を前倒しするのが強い会社
やろう、やろうと思っていてついつい後回しにしてしまう。よくあることだと思います。
先日部屋の片づけをしている時に見つけたサンダーバードのプラモデルの組立てもその一つです。
数年前、展示会で販売していたサンダーバード2号のプラモデル。懐かしくて衝動買いしてしまいました。その時は「すぐに作ろう」と思っていたのですが、「そのうち、そのうち」と先延ばししているうちに結局作らずじまいで終わっていたのです。
部品もあり、組立図もある。そして、完成のイメージもできている。集中して取り掛かれば、数時間でできるはずです。でも、数年間ほったらかしのままでした。
では、なぜほったらかしだったのか?
まず理由として考えられることは、私は手先が不器用だということです。
子供の時は何回かプラモデルを作ったことがあります。でも、元来モノを切ったり、くっつけたり、色を塗ったりといったことは苦手。夏休みの宿題だった工作は一緒に住んでいた伯父によく手伝ってもらっていました。
つまり、「サンダーバード2号を完成させたい」という気持ちはあっても、「でも作るのは面倒くさいなぁ」という意識の方が勝っていたために、その後作らずじまいだったのです。
そして、二番目の理由が代替品の出現です。
実はそのプラモデルを買ってから何年か経った後、雑誌のおまけとしてサンダーバード2号の模型を手に入れることができたのです。
その模型はプラモデルのように自分で作るのではなく、既に完成品。このため、不器用な私の手を煩わせることはありません。雑誌を1年間購読しないともらえない仕組みだったので、手に入れるには時間がかかりましたが、この模型は今でもリビングに大切に飾っています。
さて、今回のケースを目標とその達成方法に分けて考えてみると、どうなるでしょうか。
最終的な目標は、「大好きなサンダーバード2号の模型を自分の部屋に飾ること」です。
そして、プラモデルの場合は「目標の達成方法=プラモデルを作る」となり、雑誌のおまけの場合は「目標の達成方法=雑誌を1年間購読する」です。
費用的なことで言えばプラモデルを作った方が安く済みます。
けれども、私のように苦手意識が邪魔してしまうと、ついつい取り掛かるのを後回しにしてしまい、何年かけてもその方法では目標を達成できないということがあります。
また、プラモデルは集中すれば数時間でできるはずなのに対し、雑誌のおまけの場合は1年後という期間はあったのですが、目標に到達できたのは本来なら余分な時間がかかる後者の方でした。
プラモデル制作を後回しにしても生活には支障ありません。
しかし、達成すべき目標が
- 新商品を開発する
- 海外事業を始める
- 営業管理システムを導入する、
というように会社の重要な施策だったらどうでしょうか。
新商品の開発が半年遅れることで、ライバル会社との差が決定的なものになるかもしれません。
また、海外進出が実現しないことで、為替相場が変動する影響をまともに受けてしまうかもしれません。
そして、営業管理システムが機能しないことで、大事なビジネスチャンスをミスミス逃してしまうかもしれません。
目標を決めたら、それを達成するために最適な方法を選択すること。ごく当たり前のことですが、意外とできていません。
会社では、時にはお金をかけても、また表面的には時間がかかるように見えても、確実に達成できる方法を選ぶべき状況が必ずあります。特に苦手意識のある分野や面倒くさいことは、たとえ材料が全部揃って、やり方が分かっていたとしても、手をつけられていないことがよくあるので注意が必要です。
以前やろうと思ったけれど、その後ほったらかしたままになっている仕事はないでしょうか。
ついついが終(つい)になる前にしかるべき手を打ちましょう。
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