知恵の和ノート
社長が忙しすぎるのは問題です(第46話)
雑務に追われて予定を決められないのは半人前の経営者
予定を決めて雑務を隅に追いやるのが一人前の経営者
以前ある知人から、A社長をご紹介いただきました。
「今後資金調達したいらしいので、一度会って話を聞いてみて」というご連絡をいただいたので、早速A社長とアポイントを取りました。
「会社は駅から少し離れているので、B駅までクルマで迎えに行きます」という親切なお申し出までいただきました。
そして、アポイント当日。
乗っていた電車がもうすぐB駅に到着するといった時に、私の携帯電話がなりました。着信を見るとどうやらA社長からの電話です。
駅に着いて、すぐに折り返し電話するとA社長がでました。
「申し訳ないのですが、急に仙台に出張することになったので、今日のアポイントは中止にして下さい」
どうやら何かトラブルが起きたらしく、社長が出張しなければならなくなった模様です。
やむを得ないので、私は「分かりました。ではまたメールをお送りしますので、別途打合せの日程を調整させて下さい」と回答、B駅では改札口を出ず、上りの電車に乗って事務所に戻りました。
その日のうちに私の方からアポイントの日程調整のメールをお送りしましたが、しばらくしても返事がありません。
「A社長もお忙しいのかなぁ」と思い、「今後メルマガで情報提供させていただくので、お時間のある時に一度訪問させて下さい」というメッセージを送って、定期的にメルマガをお送りしていました。
そして、しばらくすると、メルマガが届かなくなりました。
気になってインターネットで調べてみると、A社長の会社が倒産したとの記事が・・・。
結局A社長とは電話で一度お話したきりになってしまいました。
最初のアポイントが取れた時点で、A社長の会社がどういう状況だったのかについては、今となっては分かりません。
でも、このA社長のように
- 決まっていたアポイントを急にキャンセルすることが多い
- その後アポイントの日程がなかなか決まらない
という会社に限って、業績があまり良くない会社が多いというのは、私の経験則から言えます。
私自身も急な予定が入って決まっていたアポイントをキャンセルせざるをえない時はあります。でも、その後もずっと忙しくて連絡さえ取れずに、日程調整がまったくできないということはありません。
もし、経営者がずっとそういう状況が続いているなら、
- 本来経営者がやるべきではない仕事まで自分で抱え込んでしまっている
か
- 会社の状況が火の車で日々資金繰りやトラブルの収束に追われている
のいずれかです。
今や「重役出勤」という言葉は死語なのかもしれません。でも、1年365日常に社長が駈けずり回っていないと会社が回っていかないのであれば、そのひずみは必ずどこかに出てきます。
あなたが「重役出勤」しても業務に支障は出ないか?
あるベテラン社長はご自身が病気で1ヵ月ぐらい入院した時、「自分がでしゃばらなくても意外と会社って大丈夫なんだ」と分かり、かえって安心されたそうです。そして、今まで抱えていた仕事をどんどん社員に権限移譲することを決断されました。
これから寒さが一段と厳しくなる季節、体調管理は大事ですが、もう一つ、余裕のあるスケジュール管理も、経営者が長くビジネスを続けていくためには必須の条件です。
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