知恵の和ノート
ハゲても成長を続ける秘訣(第38話)
コンプレックスと長く付き合うのは半人前の経営者
コンプレックスと早く向き合うのが一人前の経営者
私にはいろいろとコンプレックスがあります。
「Aさんに比べると、売上がまだまだ足りない」といった他者と自分を比べることで感じるコンプレックスもあれば、「初めて会う人とすぐに仲良くなるのが苦手」といった自分自身に感じるものまで様々です。
そして、外観的なコンプレックスとしては、髪の毛が少ないというのが昔から持っているコンプレックスです。
家系的には、父はバーコード状態で、母方の祖父も磯野波平さんに近い人だったので、子供の頃から「いつかは自分も・・・」というそれなりの覚悟はありました。けれども、30歳近くになってやや頭髪が気になり始めるという現実に直面すると、やはり「あ~あっ」という落ち込む気持ちになりました。
ヘアトニックや育毛用シャンプー、リアップなど髪の毛に良いと言われるものはいろいろと試しました。また、ある時は30万円ぐらいかけて毛根の洗浄と頭皮のマッサージを行うサロンにも通ったことがあります。
けれども、結局どの方法も決め手にはならず、今日に至っています。
では、育毛や養毛に多少お金と時間をかけたことを除いて、「髪の毛の少ないことが私にとって不利益に働いたか」という点ではどうでしょうか。
記憶を振り返ってみると、会社の先輩や同僚に「薄いねぇ」と言われた時に、ちょっと気分がへこんだぐらいで、転職の際にも、起業した後でも、髪の毛の少ないことが直接不利益につながったということはありません。
しかし、もしかすると、
髪の毛が少ないことで少し気おくれする
↓
もう一歩を踏み出せない
↓
せっかくのチャンスを逃してしまう
ということはあったかもしれません。
さて、中小企業の経営者の場合、「ウチには優秀な人がいなくて」「その機能はついていません」「そんなにお金はありません」というように、経営資源が少ないことにコンプレックスを持っている人が少なからずおられます。
資本金1,000万円の中小企業と100億円の大企業とでは、経営資源の量に大きな隔たりがあるのは紛れもない事実です。でも、経営資源が少ないということと、経営資源が少ないことにコンプレックスを持つことは別の問題です。
やはり世の中には中小企業よりも大手企業の方をより信頼する傾向があります。私も前職のベンチャー企業の時に「オタクで大丈夫なの?」ということは散々言われました。
このため、どうしても経営資源が少ないことにコンプレックスを持ってしまう気持ちはよく分かります。
けれども、量はともかく、質の面で言えば、経営資源の大小は問題になりません。
問題となるのは、経営資源が少ないことに対して必要以上にコンプレックスを抱き、「どうせウチなんかが頑張ったって所詮はダメ」と最初から諦めてしまうケースです。
つまり、経営資源の少ないことが直接不利益にはならなくても、経営者の気持ちの持ちよう次第では、せっかくのチャンスをミスミス逃してしまう恐れがあります。
もし、あなたが日頃からコンプレックスに感じていることがあったら、コンプレックスの対象となっている事実と、なぜそれをコンプレックスと感じるかを第三者に話してみることをお薦めします。
すると、経営者がコンプレックスに思っていることは、他でもよくある一般的なことであったり、他社よりもずっと問題が軽微であったりすることがよくあります。
私の髪の毛の場合はいろいろと試しましたが、結果的には望むような結果は出ず、最終的には事実をそのまま受け入れるしかありませんでした。そして、私が髪の毛が薄いことに対してコンプレックスを持っていたのは、自分に対する自信のなさの裏返しでした。
私はこのことにようやく51歳になって気づきました。
個人的なコンプレックスの場合は、その影響は個人の範囲に留まるので、多少時間がかかって大丈夫なのかもしれません。しかし、もし経営者が自分の会社に対して何かコンプレックスを持っていた場合、その影響は経営者自身に留まらず、社員や取引先にも及びます。
このため、会社に対するコンプレックスは、20年以上もそのままにしておく余裕はありません。
不必要なコンプレックスはあなたの会社の成長を阻害する要因となります。
なぜなら、それは、経営者が無意識のうちに、できない理由をそのコンプレックスのせいにしているから。
コンプレックスと真正面から向き合うことで新たなステージが必ず開けます。
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