知恵の和ノート
コンサルタントとつきあう時の注意点(第23話)
教わった魚の釣り方を鵜呑みするのは半人前
学ぶべきは不漁でも一定の漁獲高を確保できる魚の本質
お腹を空かせている人がいる時に「魚を与えるのはダメ」で、魚の釣り方を教えるのが正解と一般的には言われています。
魚を与えることしかしないと、一時的に空腹は満たされるかもしれませんが、また腹が減った時には魚をもらうことに頼るので、いつまでも自立できません。
一方で、魚の釣り方を学べば、お腹が減った時に自分で魚を釣って食べるという行動ができるので、徐々に自立できるというのがその理由です。
たしかに依存体質から脱却させ、自立を促すには魚を与えるだけではダメで、魚の釣り方を教えた方がベターです。
けれども、同じ魚の釣り方にしても「海で魚を釣る方法と渓流で魚を釣る方法」は違いますし、同じ海でも「マグロの釣り方と鯛の釣り方」は異なります。
これをビジネスの世界で言えば、B to B向けとB to C向けではマーケットの特性が違うのは当たり前ですし、同じB to B向けでも、オーナー企業のワンマン社長に対するアプローチと、大企業の経営者に対するアプローチは異なるのは皆様もよくご存知の通りです。
だから、Facebookで成功した人のやり方をそのままマネしても上手くいかないケースが出てきておかしくないし、同じような対象先に同じ方法でやっても、一度に100万円の広告費を出せる会社と今は月10万円の広告費を出すのがやっとの会社では、結果に大きな違いが出ても不思議ではありません。
多くのコンサルタントは自分の勝ちパターンというのを持っています。
釣りで言えば、渓流でアユを釣る方法を教えたら超一流といった場合です。この場合、自分は大海原でマグロを釣りたいのに、アユ釣り名人に魚の釣り方を教わってもすぐにマグロを釣れるようにはなりません。
しかし、コンサルタントの中には自分はアユ釣りしかやったことがないのに「魚釣りのことならなんでも知っている」という雰囲気を醸し出して、「あんたが魚を釣れないのは俺の言った通りにやらないからだ!」と、結果が出ないことをお客のせいにする人もいます。
もちろん、優秀なマグロ釣り名人にすぐに巡り合えればラッキーです。
けれども、実際にはどんぴしゃりの人とベストのタイミングで出会うのは、そうそうあることではありません。ましてや言葉巧みなコンサルタントに対して、その実態を見極めることは簡単なことではありません。
だから、経営者に求められることは、常に本質は何かを追求する姿勢です。
長くビジネスを続けておられる経営者を見ていると皆さんよく勉強されています。そして、仮に相手がアユ釣りしかやっていなくても、ウチのマグロ漁法に何か活かせる要素はないかという観点から取捨選択して話を聞いています。
専門家から教わったことをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の商売に活かせる要素がないかと考えながら咀嚼する。
魚の釣り方のテクニックを教える人はたくさんいても、魚の生態まで深く掘り下げて教えられる人はごく少数です。
これを踏まえた上で、自社にとっての本質を見つけられるのは経営者だけという気構えが必要です。
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