知恵の和ノート
予算管理は朝令暮改で常に行動の変化を促す(第11話)
予算管理と天気予報は最新の情報を次の行動に活かしてこそ、効果を発揮する
最近は10月ではなく、5月に運動会をやる小学校が増えています。
運動会と言えば、気になるのがやはり当日の天気。
テレビや新聞の天気予報を見て「これなら大丈夫だ」と安心したり、「ちょっと不安だなぁ」とやきもきされた方も多いのではないでしょうか。
その天気予報。最近は精度が高まっているので、当日や翌日の天気は概ね当たります。
しかし、意外とあてにならないのが週間天気予報。一昨日の予報では「日曜日は晴れ」だったのに、今日の予報だと「日曜日は曇りのち雨」になっていたりすることがあります。
いくら「一昨日は晴れだって言ってたのに!」と文句を言っても、最新の予報で雨の可能性が高いなら、傘を持って出かけた方がベターです。
そして、我々は、最新の情報に基づいてアップデートされた予想に基づいて、行動しないと判断を間違えることになります。
さて、会社において予算管理を行う時。
売上目標を「4月:1億円、5月:1億円、6月:1億円」として、「4~6月で3億円の売上高を達成する」という予想を立てたりします。
しかし、4月の売上高は消費税値上げの影響もあり、「目標の1億円を下回り、8,000万円だった」という結果だったとします。
この時、あなたの会社ではどのような予算管理を行っておられるでしょうか。
多くの会社では、予実管理と称して「目標と実績の差額は▲2,000万円」、その原因は
1.消費税値上げに伴う需要の落ち込みがあり、・・・
2.新規開拓先A社との交渉が難航し、・・・
3.為替レートの変動で、・・・
というように要因を分析して終わり、になっています。
けれども、現実問題としては、4月に未達成だった2,000万円をどこかでカバーしないと4~6月の第1四半期の売上目標は達成できませんし、ひいては年間の売上高の数字にも手が届きません。
この場合、
4月の実績:8,000万円(目標比:▲2,000万円)
を踏まえて、
5月の目標:1億円、6月の目標:1億2,000万円
とか、
5月の目標:1億1,000万円、6月の目標:1億1,000万円
といったように当初の予想を修正して活動しないと、「毎月予算管理はしているけれど、予定していた数字は達成できませんでした」で終わってしまいます。
そして、最新の情報に基づいてアップデートされた予想に基づいて行動しないと経営判断を間違えることになるのです。
しかしながら、
- 手元にお金は充分にあり、それほどお金に困っていない
- 過去もいろいろと苦しい時期はあったが、なんとか黒字は達成できていた
- ウチは担保もあるので、いざとなったらメインバンクが融資してくれる
というような会社の場合、
- 予算管理において多少数字の詰めが甘くても大勢に影響がないのでなんとかやれる
- 1,000万円や2,000万円ぐらいの差だったら、次にちょっと頑張ればすぐに取り戻せる
という自負があるかもしれません。
けれども、10年、20年という長期単位で見た場合、最新の情報を踏まえて次の行動へ活かすという姿勢が社内に定着していないと、気がつけば周回遅れになっていたという状況に陥りかねません。
地球温暖化や相次ぐ異常気象等のため、最近は天気予報においても「例年に比べて」というのがまったくあてになりません。
会社の予算管理においても大事なことは、予想をあてることではなく、最新の情報を踏まえて次の行動へ活かすことです。
1ヵ月前、3ヵ月前の長期予報では、今度の日曜日の準備はできないのです。
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