知恵の和ノート
勝ち抜くには「レギュラー+バックアップ」で(第10話)
社員の多機能化で会社のピンチを未然に防ぐ
W杯に出場する日本代表23名が選ばれました。
オリンピックの時もそうですが、選手の選考基準というのはなかなか難しいですね。
アメリカなどでは、過去の実績に関わらず、選考会での成績で一発選出という場合もあるようですが、特にサッカーやバレーボールなどの団体競技では監督の意向が大きく影響します。
どんなに優秀な選手であっても、監督の戦略に合わない選手は外されます。
また、予選の試合を通してレギュラーで活躍する選手の顔ぶれも、ほぼ決まっているので、オリンピックやW杯など大きな大会に臨む時は、レギュラーの選手が怪我や不調で離脱する時にバックアップをどうするかという点が選手を選考する際の鍵になります。
この時、多くの監督が重視するのは「複数のポジションをこなせるかどうか」ということです。
サッカーで言えば、GKは別にして「普段はMFだけどDFもこなせる」「FWで得点能力も高いが、ピンチの時は積極的に守備に回る」という選手の方が、「自分はDFしかできません」「守備は後ろの人の仕事でしょ」という選手と比べるとより選ばれやすくなります。
つまり、シーズン中の試合と違って23名だけで戦うという状況を考えた場合は、一人が二役以上をこなすことが勝つための必要条件になるのです。
最初の職場では、上司から「お前らの代わりはなんぼでもいるだからな!」と怒鳴られたことがあります(苦笑)。まあ、実際20,000人以上働いている会社だったので、代わりの人は何人でもいる状況だったのだと思います。
しかし、中小企業の場合、それほどたくさんの人がいる訳ではありません。
このため、一人の社員が抜けてしまうと途端に仕事が回らなくなるという状況が少なくありません。
また、新しく人を採用しようとしても、「思ったレベルの人がなかなかいない」「彼は優秀なんだけれど、あの条件はウチでは難しい」ということが起こり、穴が埋まらないまま、会社の成長が止まってしまうことがあります。
これを防ぐためには、普段から一人二役以上をこなすというのを意識して仕事を回すことが肝心。
レギュラーで活躍する社員がある程度固定することはやむを得ません。
けれども、経営者が日頃からレギュラー社員のバックアップをどうするかを意識して経営しないと、社員は自分のポジションを脅かす存在を自ら積極的に育てようとはしないのが普通です。
経営資源の乏しい中小企業こそ、日頃からバックアップを意識した人材育成ができているかどうかが持続的な成長のポイントになります。
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